【国会活動】外務委員会で質疑に立ちました(2022年3月23日)

★質問要旨★

  1. ウクライナ情勢について【外務大臣】【経済産業省】
  2. 日韓関係について【外務大臣】【防衛省】
  3. 日米地位協定について【外務大臣】【防衛省】【環境省】

★質疑映像★

★議事録★

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○太委員 神奈川十三区の太栄志でございます。  大臣を始め政府の皆さん、今本当にウクライナ情勢、大変緊迫する中での連日の御尽力、また御奮闘に心より敬意と感謝を申し上げます。  私は、本日、三つのこと、三つのテーマで御質問したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  まず一つ目は、やはりウクライナ情勢。  先日発表されました、ウクライナ国内外で既に一千万人以上避難されている方が出ている、国民の四人に一人がこういった情勢。本当に今無辜の市民が、命が奪われているこの状況、何とか我が国としてもしっかりと、まずは休戦、そして停戦合意へとしっかりと向き合って、向かっていく、そのための我が国の貢献の在り方、そのことがまず一つ目。  そして二番目は、ウクライナ情勢がある中でも、この東アジア、我が国周辺の国際情勢、大変緊迫をしております。様々挑発行為も行われております。  そういった中で、三月の九日でした。韓国で尹錫悦新大統領が、五月からですが、誕生いたしました。未来志向で、日本との関係を、また、包括的に様々な課題がこれまでありますが、解決をしていこうという、そういった前向きな新しい大統領が誕生する中での我が国の安全保障あるいは外交政策というものを、大臣の御見解も問いたいと思っています。  そして三番目は、やはり日米同盟。  ウクライナ情勢、また様々、我が国の平和をしっかりと守っていく中では、やはり、日米の関係をしっかりと深化させていくこと、私、そのことはやはり基本だと思っております。  しかし残念ながら、前回も質問いたしましたが、この日米地位協定であったり、あるいはその関連での環境補足協定ですね、できましたが、私の地元は米軍基地を二つ抱えております。そういった中で、残念ながら足下で、本来であればしっかりと、日米がしっかりと団結をしていなきゃいけないときに、足下を揺るがしかねないこういった事案がありますので、そこを何とか改善していきたい。前向きな意味での議論をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  先ほど来ありますが、本日、ゼレンスキー大統領が我が国の国会でのスピーチ、演説ということで、本日八回目ということで、まさに今、世界から様々な形で、我が国のウクライナ情勢に対する、紛争に対する関わりというのが私は今見られておりますし、問われていると思っております。  そういった意味でも、やはり日本の国家意思をいかに示していくのか、そこを是非とも外務大臣、先頭に立って進めていただきたい。特に、この数日で大きく、特に日ロの関係の局面がというか、フェーズが大きく変わりました。そういった意味でも、やはり国家意思を明確に示す、その視点から本日も問わせていただきたいと思います。  まず、ウクライナ情勢。  二十一日、ロシア外務省が、北方領土問題を含む日ロの平和条約締結に向けた交渉を打ち切る、中断するというふうに発表しました。この問題、一九五六年の日ソの共同宣言からずっと平和条約締結に向けて日ロで様々積み重ねてきたことが、ここで一方的にロシアの方から中断、打切りと言われましたが、まず、その点に関して大臣の御見解をお願いいたします。

○林国務大臣 ロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、国際秩序の根幹を揺るがす行為であります。明白な国際法違反であり、断じて容認できず、厳しく非難をいたします。  今回、今、太委員からお話のありました事態、これは全てロシアによるウクライナ侵略に起因して発生しているものでありまして、それにもかかわらず日本側に責任を転嫁しようとする今般のロシア側の対応は極めて不当であり、断じて受け入れられず、強く抗議をいたします。昨二十二日ですが、こうした日本政府の立場をロシア側に伝達し、強く抗議をしたところでございます。  今般のウクライナ侵略については、我が国としては、国際秩序の根幹、これを守り抜くために、国際社会と結束して、引き続き毅然と行動していく考えでございます。

○太委員 昨日総理も、これは参議院でしょうか、強く抗議をしていく、ロシアに対してですね、そういった声明もありましたし、今大臣からもありました。また、外務省の方から駐日ロシア大使に対しても既に抗議をしたということなんですが、これは抗議をして終わりですか。  何か具体的な、この後具体的に聞いていきたいと思っておりますが、大臣の御見解、どういった対処をしていくのか、リアクションをしていくのか、その点に関して御見解をお願いいたします。

○林国務大臣 今回のことにつきましては、先ほど申し上げたように、断じて受け入れられず、強く抗議をすると申し上げたとおりでございます。  まさに、この今後の対応ということですが、今委員が冒頭おっしゃっていただいたように、ロシアによるウクライナ侵略、まだ続いておるわけでございます。これは、国際秩序の根幹を揺るがす許し難い行為でございますので、国際社会、G7を始めとする普遍的価値を共有する各国とも結束して、引き続き毅然と行動してまいりたいと考えております。

○太委員 大臣、是非とも、私、冒頭でも言いましたが、やはりもう局面が変わったと思っております。向こうから一方的に打切りということを言われました。本来、我が国からそういった、本来であれば様々な外交的なやり取りがあってしかるべきだったと思っているんですが。  こういった状況の中で、やはり私は、先ほど言いました強い国家意思を示すためにも、ちょっと具体的にお話をさせていただきたいと思っておりますが、ロシアの方から、もちろん人道的にも本当にこれは大きな問題です、元島民の方たちの三十年間以上ずっと当たってきた交流事業、ビザなし交流も含めて、これも中断、こういったことも言っています。もう一つは、北方領土でのということは言っていますが、共同経済活動に関する対話からの離脱も表明しているということです。  一方で、我が国としては、これもさんざん議論を様々この場でもされてきたと思っております、我が国としてはいまだにロシアとの経済協力担当大臣がいるということ。いいかげん、大臣、このポストを廃止していただきたい。もちろんこれは管轄外なのかもしれません。ですけれども、これはまさにロシアとの外交交渉の一つとして大臣から総理なりにしっかりと助言していただきたいと思っておりますが、大臣の御見解、もし可能でしたらお願いいたします。

○林国務大臣 委員からおっしゃっていただきましたように、これは総理の専権事項であろうか、こういうふうに思っておりますので、私から何か申し上げることは差し控えますが、委員からこの委員会の場でそうしたお話があったということは、しっかり総理にお伝えしたいと思います。

○太委員 これは是非とも、本当に何とか廃止できないんでしょうか、担当の方。こちらはどなたでしたかね。なぜ廃止できないのか。この担当大臣、ポスト廃止、これは是非とも。なぜかというところ、本当に私も分からないですし、国民の方も多くの方がなぜかと思うところだと思いますので。  これはどなたかいらっしゃいましたかね。お願いいたします。

○山中政府参考人 お答えいたします。  ただいま御質問ございましたロシア経済分野協力担当大臣の件ですけれども、これをどのように設置するかに関しましては、政府全体として判断すべき問題であり、経済産業としてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

○太委員 まさによく聞こえなかったんですが、それと、あと、よく理由も分からないんですが、よかったらもう一度教えていただけますか。なぜ、これは廃止できないんでしょうか。もう一度お願いいたします。

○山中政府参考人 お答えいたします。  繰り返しになりますけれども、ロシア経済分野協力担当大臣をどのように設置するかにいたしましては、これは政府全体として判断すべき問題でございまして、経済産業としてお答えする立場にはございませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。

○太委員 大臣がおっしゃっていただきましたように、何とかこれは総理にも御助言いただいて、これはやはり、まず我が国として明確な意思を示さなきゃいけない。逆に、ロシアの方から経済協力できませんと言われているんじゃ、本当に後手後手に回っていると思いますので、本来であれば我が方からしっかりとやらなきゃいけない。  それで、もう一つ、もうこれも徳永先生も聞いていましたが、八項目の経済協力プランですね。昨日予算成立しましたけれども、この予算の執行停止、これからもできるはずです。  ですけれども、私、これはやはり大前提があると思っています。様々、民間同士でもいろいろと事業が進んでいます。中小企業の方も絡んでいます。そういった意味で、やはりこの十分な補償、特に、二十一億円ですよね、予算規模が。これは、日本側のこれまでの企業にしっかりと回していく、補償していく。プラスアルファをしながら、私としては、この予算、何とか今からでも廃止していただきたい。  大臣、この点どうか、本当に明確に示さないことには全て後手後手で、こちらは本当にお願いいたします。この点、御見解を。

○山中政府参考人 お答え申し上げます。  今御質問ございました八項目の協力プラン、現下のウクライナ情勢を踏まえれば、国際社会は、ロシアの侵略により、ロシアとの関係をこれまでどおりにしていくことはもはやできないと考えており、我が国としても、八項目の協力プランを含め、ロシアとの関係で新たな経済分野の協力を進めていく状況にはないと考えております。  その上で、八項目の協力プランを含むロシアとの経済分野の協力に関する政府事業につきましては、当面見合わせることを基本に、ウクライナ情勢の進展や国際的な議論も踏まえて、エネルギー安定供給や人道上の配慮に留意しつつ適切に対応してまいる所存です。  予算の執行につきましては、この考え方に基づき、今後、個々の執行において、その時点での最新の情報を踏まえて適切に判断してまいりたいと考えております。  他方、今回の経済制裁やロシア国内のビジネス環境の悪化、さらには、ロシア政府による対抗措置などによって、ロシアに進出している日本企業やロシアと取引のある日本企業に対して様々な影響を及ぼすことが十分想定されます。  経済産業省といたしましては、事業者への影響を最小限にとどめるため、ジェトロやNEXI、日本貿易保険ですね、政府系金融機関などに相談窓口を設け、影響を受ける事業者に寄り添った対応を行うとともに、財務体質が弱い中小企業の資金繰りを支えるため、低利融資などを実施してまいります。  引き続き、産業界とも連携し、日本企業に与える影響をしっかりと注視しながら、その影響を最小限にとどめていくよう全力で取り組んでまいりたいと思います。

○太委員 結局、分からないんですよ、本当に、なぜかというところは。  もう本当に分かりやすく、まさに今、ゼレンスキー大統領のスピーチもあります。我が国が今こそ、これは局面が変わっています、いつまでも同じことじゃ本当に駄目だと思っておりますので、引き続き、何とか、私としては、もう大臣に御決断いただいて、総理にしっかり助言していただきたいと思っております。  もう一つ、絡んで質問させていただきます。  今回、ロシアのウクライナへの侵略行為で、まさに国連の機能不全になりました、先ほど松原先生がずっと議論された件なんですが。そういった中で、簡単なことじゃないと思います、ですけれども、私はやはり、今のプーチンのロシアのいる国連というのは、今後何か想定できないと思うんですね。そういった意味で、総理もおっしゃっています、新たな国際秩序が必要だと。まさに国連改革をしていこうと。  そういった中で、やはり、これは具体的に、まずロシアを、私は、安全保障理事会から除名していく、そこを我が国として明確に国連の方に発議できないのか。大臣、御見解をお願いいたします。

○林国務大臣 今委員がおっしゃられたこと、これは、ウクライナも、ロシアを安保理常任理事国から追放すべき、こういう指摘をしておるわけでございます。他方、米英等からはそうした発言は現時点では出されておらず、その困難さへの言及もなされていると承知をしているわけでございます。  国連憲章の手続上、常任理事国であるロシアの同意がなくしてはロシアの権利及び特権の停止や国連憲章の改正ができないということを念頭に置いて、この困難さの指摘があるところでございまして、今回のロシアの暴挙は、国連が抱えるこうした問題、これを改めて提起をしたものであると考えております。  国際社会の平和と安全に大きな責任を持つ安保理の常任理事国であるロシアの暴挙という今回のことは、新たな国際秩序の枠組みの必要性を示しているわけでございます。我が国は長年、国連改革、安保理改革を訴えてきておりますので、岸田政権の下でその実現に全力を挙げていくという考えには変わりはないところでございます。

○太委員 大臣、この問題というのは、東アジアでも私は同じことが起きかねないと思っております。まさに様々な東アジア有事が起こりかねない中で、同じように常任理事国がこういった形で、全く非難決議すらない、また、もちろん制裁すらない、制裁もない。全く、平和の番人というか、世界の平和を守るということが、国連が機能を果たさない状況だと思いますし、何とかここは前例、ここで一回しっかりとロシアに対して代償を払ってもらうということを私はしなきゃいけないと思っています。  先ほど言いましたが、本当にこれはなかなか大変なことだと思っておりますが、一方、一九九一年、ソ連邦が崩壊したときに、ソ連からロシアに自動的に移行手続が、これは不備があったんじゃないかということは様々言われていると思います。そういった意味で、そういったところを含めて、何とかこれ、私としては、もちろんこういった状況の中でなかなか国連が機能しないというのはずっと課題だったと思いますが、ですから、ここでやはり、我が国としての国家意思を示すためには、私は何らかアクションで、断固として行動しなきゃいけないと思っております。  あるいは、常任理事国の拒否権に一定の制限、先ほども議論がありました、そういったことを設けた上で、どう常任理事国のメンバーを拡大していくのか。我が国もそうです。韓国とか、あるいはインド、ドイツ、イタリア、東南アジア枠とかアフリカ枠とか、そういったことを含めて、先ほど御見解をいただきましたが、様々な工夫をしながら、やはり我々がしっかりと見据えなきゃいけないのは東アジアだと思っておりますので、そういった意味でも、この点、引き続き御検討いただきたい。何とかくさびを入れていただきたいと思っておりますので、お願いいたします。  次に、こちら、確認させていただきたいんですが、今、中国の動きというのがまさにキーになってくると思います、これから、いろいろな意味で。そういった中で、中国がロシアに軍事的な支援を行った場合の対中制裁措置に関して、今、外務省としてどういった形でそこを見据えているのか、備えているのか、その点をお願いいたします。

○林国務大臣 今回のロシアによるウクライナへの侵略、これは欧州のみならず、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であると考えております。明白な国際法違反であり、断じて許容できず、厳しく非難をするところでございます。  この国際秩序の根幹を守り抜くために、国際社会が結束して毅然と対応するということが必要でありまして、米国を始めとする同志国、G7等の同志国と連携して、中国に対しても責任ある行動を求めていく考えでございます。  制裁の実効性、これを確保していく上でも、関係国と連携して、適切に対応してまいります。  その上で申し上げれば、いかなる事態に具体的にどう行動するかについては、個別具体的な状況を踏まえて検討されるべきであることから、予断を持ってお答えすることは控えたいと思います。  いずれにしても、その時々の国際情勢、これを考慮するとともに、G7を始めとする国際社会と連携しつつ、総合的に判断をしていくことになると考えております。

○太委員 御説明いただきまして、ありがとうございました。  いずれにしましても、中国の動き、しっかりと我々は見据えながら、もちろん中国とどう共存していくのか、最大の貿易相手国でもあります。そこを、共存を見据えながらも、やはり今の軍拡の動きを我々としてはしっかりと頭に入れながら、特に中ロの間に、離間していく、くさびを入れていく、そういったことを我々は常に意識しなきゃいけないと思っておりますので、引き続きの御対応をお願いいたします。  次、韓国の問題に移ります。  まず、先ほども言いました、新しい尹錫悦次期大統領、いよいよ五月からスタートなんですが、その中で、大臣の韓国の外交戦略上の重要性についての御見解、お聞かせください。

○林国務大臣 韓国でございますが、北朝鮮への対応を始め、この地域の安定にとって、日韓、また、日米韓の連携は不可欠であると考えております。  日韓関係は、旧朝鮮半島出身労働者問題、また、慰安婦問題などによって、非常に厳しい状況にありますけれども、このまま放置することはできないと考えております。  国と国との約束を守ること、これは国家間の関係の基本であります。日韓関係を健全な関係に戻すべく、日本の一貫した立場に基づきまして、尹錫悦韓国次期大統領を始め、新政権と緊密に意思疎通をしていく考えでございます。

○太委員 先日、大臣が、ホノルルで日米韓外相会談がありました、その中では日米韓三国による安保協力を進めていくというふうに約束されたと思いますが、では、どういった形で今安保協力が進んでいるのか、その点に関して教えてください。お願いします。

○林国務大臣 二月の十二日でございますが、ハワイで開催された日米韓の外相会合で様々な議論を行いまして、三か国の連携を一層強化する上で大変有意義な意見交換となったところでございます。  こうした中で、北朝鮮への対応につきまして、地域の抑止力、これを一層強化していくことで一致をするとともに、日米韓の安全保障協力、これを強化していく必要があるという点で一致し、同日に発出いたしました共同声明にもその旨記載をしておるところでございます。  これ以上のやり取りや政府の検討状況、これは詳細を明らかにすることは差し控えますけれども、二月の日米韓外相会合でのこうした成果を踏まえつつ、日米韓で一層緊密に連携していきたいと考えております。

○太委員 ありがとうございます。  もう一つお伺いさせてください。  韓国の尹次期大統領は、クアッドへの参加意向を表明されております。そのことに関して、大臣、どのような御見解なのか。  あと、GSOMIAも拡充していこうと。GSOMIA、私はこれは大変重要な、運用をどう拡充していくかというのが大事だと思っているんですが、その点に関して、大臣、御見解、お願いいたします。

○林国務大臣 この日米豪印、いわゆるクアッドでございますが、これは自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて、ワクチン、インフラ、重要・新興技術、こうした幅広い分野で実践的な協力を進める、こうした取組でございまして、四か国の間では、地域に前向きな形で貢献していくことの重要性で一致してきております。  その上で、これまで日米豪印の間では、参加国の拡大に向けた具体的な議論、これは行われていないところでございます。  我が国としては、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて、引き続き、様々な取組を通じて、ビジョンを共有するより多くの国々と一層連携を深めていきたいと考えております。

○太委員 大臣、ありがとうございます。  まず、クアッドに関して議論させていただきたいんですが、参加国で、もちろんインドも、あとオーストラリアも入ってくると思うんですが、これはまさに、私は、様々、これまで日韓関係がなかなかうまくいっていない、この後またいろいろとお尋ねさせていただきたいと思っていますが、そういった中で、やはりクアッドに何とか韓国を私は入れていただきたいというふうに思っております。  一方、残念ながら、これは韓国国内でも、日本がクアッドへの韓国参加に消極的だ、そういった認識が広がっていると思っていますし、今朝の日経新聞にも出ていました木村先生、韓国問題専門家の方も、やはり日本はこれまでどうしてもクアッドの拡大による韓国参加に消極な姿勢を見せてきた、これというのは結構大きな批判を浴びかねないという指摘もされております。  クアッド、もう少し、大臣、踏み込んで、是非ともこれ、私、障害は何もないと思います。是非とも日本の方からクアッドに韓国を引き込んでいこうということを、まさにインド太平洋の自由で開かれた国際秩序をしっかりとつくって、中国の拡張にしっかりと対処していくということを含めて、そこはいい流れだと思っておりますので、もう一度御見解をお願いいたします。何とか進めていただきたいと思っていますので。

○林国務大臣 クアッドはそもそも四という意味でございますので、なかなかクアッドのままでというわけにいかないのかもしれませんが。  現時点で、韓国政府から我が国政府に対して、この日米豪印、クアッドへの参加の申入れはないわけでございますけれども、いずれにしても、我が国としては、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて、引き続き、様々な取組を通じて、ビジョンを共有するより多くの国々と一層連携を深めていきたいと考えております。

○太委員 大臣、もう一度確認です。  そういった形で前向きにお話しいただきましたので、是非とも、私は尹次期大統領は参加したいという意向を表明していただけると思っていますが、そのときは、今まではなかった、ですけれども、あった場合には、それじゃ、一緒にやっていけると。大臣の御見解をお聞かせいただきたい。お願いいたします。

○林国務大臣 まだ仮定の御質問でございますから、あった場合にどうこうということを申し上げることは差し控えたいと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、日米豪印の間で参加国の拡大に向けた具体的な議論は行われていないわけでございますが、一方で、引き続き、様々な取組を通じて、ビジョンを共有するより多くの国々と一層連携を深めていきたいと考えております。

○太委員 大臣、ほかの国のいろいろと意向はあるかもしれませんが、是非とも、我が国の方からも巻き込んでいく。名前はもちろん変えて進めていただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。  GSOMIAに関して、運用拡充に関して、これはどなたか、防衛省の方でしょうか。これも大変重要だと思っておりますので、御見解、お願いします。

○大和政府参考人 お答え申し上げます。  GSOMIAの拡充というものが一体具体的にどういう提案になるのかというのはちょっと私ども承知しておりませんので、コメントは差し控えたいと存じます。  GSOMIAは、二〇一六年十一月に署名されて、その後、二〇一九年八月に韓国政府から終了通告があり、また、同じ年の十一月に韓国政府から同通告を停止する旨の発表があったところであります。これも含めて、日韓の防衛当局間にはいろいろな課題がありまして、日本と韓国の間の防衛協力、交流には影響が及んでいるところで、全般的な関係は非常に厳しいものがあります。  ただ、北朝鮮の核、ミサイルをめぐる状況を含めまして、我が国及び地域の安全保障環境が引き続き厳しさと不確実性を増す中にあって、日本と韓国の間、それから、日本とアメリカ、韓国の連携は重要なものであると考えています。  防衛省・自衛隊としては、韓国の新政権発足後も、引き続き、こうした諸課題への韓国側による適切な対応も含め、韓国側と意思疎通をしていく考えであります。

○太委員 ありがとうございます。  まさに、私は、防衛分野での信頼構築というのは物すごい、今、日韓では重要だと思っております。特に、二〇一八年、レーダーの照射事件がありました。それ以後、大分防衛当局間の信頼が揺らいでしまっているという、だからこそ、もう一度このGSOMIAで、私としては、様々拡充してやっていただきたい。こちらは、まさにいろいろと情報を、機微情報を含めて扱うところでなかなか内容は言いづらいかもしれないんですが、いずれにしましても、防衛同士の協力関係をもう一度築いていく、そういった信頼構築に向けて、様々な取組を進めていただきたい。  これは民主党政権のときでした、二〇一〇年、一一年頃、日米の統合演習に韓国軍が参加している、米韓の合同演習に自衛隊がオブザーバーとして参加するなど、安保協力がいい方向に向かっていった、そんな時期もありましたので、是非ともこちら、もちろんこれはアメリカの方からの招待があった、そういった流れもあったかもしれませんが、様々また工夫をしながら、今、北朝鮮情勢、今年九回もいろいろな形でミサイルを撃ち込んでいます、そういったところも見据えながら取組を進めていただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。  もう一度大臣に、また別の話です。  駐日韓国大使との総理あるいは外務大臣の面会がずっと行われていないと思います、二〇二〇年十一月以降、おととし以降。この点に関して、なぜこういった状況なのか、御意見を教えてください。お願いいたします。

○林国務大臣 日韓関係は、旧朝鮮半島出身労働者問題、また慰安婦問題などにより非常に厳しい状況にあるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、政府としては、このまま放置することはできないと考えております。  日韓関係を健全な関係に戻すべく、適時適切なレベルで意思疎通を図ってきておりまして、今後もそのようにしてまいりたいと考えております。

○太委員 是非とも適切なレベルでの面会を進めて、強化していただきたい。  また、これからいい未来志向で、もちろん様々な障害があるのは分かりますが、やはり何を今優先するかだと思っております。今、安全保障環境、大変厳しいです。そういった意味でも、もちろん、大臣先ほどおっしゃっていたように、歴史問題、あるいは、この間の国同士の約束を、やはりここはこだわらなきゃいけないところだと思いますが、一方で、やはり向こうの方も、韓国側も、包括的に様々な問題を解決していこうというふうに今言っておりますので。  やはり、この数年間で大きく日韓の取り巻く環境は変わったと思います。それはもちろん、北朝鮮の状況、ミサイル技術の発達を含めて、ありますし、中国のこれだけの軍事大国化がありますので、やはりそこは、我が国として、こちらから、もちろん歴史問題は大事ですけれども、それぞれに個別にしっかりと対応しながら、国の平和を守っていく、その点で、特に日米韓から始めていただいて、クアッドを拡大していただく、そのことを進めていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  ここはまた確認になりますが、新政権、間もなく誕生の中で、過去の韓国の政権交代に際して、引継ぎ期間に、双方、日韓が特使を派遣していたと承知しておりますが、実際、文政権のとき、二〇一七年、自民党の二階幹事長が特使として韓国を訪れています。そういった意味で、この特使派遣に関してはどういった今準備をされているのか、外務大臣からお願いいたします。

○林国務大臣 特使でございますが、今、文在寅政権誕生のときは、御披露していただきましたけれども、その前の朴槿恵政権のときは額賀日韓議連幹事長、そして、その前の李明博政権の誕生のときは森元総理がそれぞれ特使として訪韓されておるわけでございます。  我が国から韓国へのこうした特使の派遣を含めて、今後の日韓間の往来、会談等について、現時点では具体的に決まっていることはないわけでございますが、先日の岸田総理と尹錫悦韓国次期大統領との電話会談でのやり取りも踏まえつつ、新政権とも適時適切なレベルで意思疎通をしていきたいと考えております。

○太委員 どうか引き続き、前へと進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  あと、ハイレベルの協議が、しっかりとこれを進めていただきたい。今まで、この間、局長級の会議だった、これを次官級あるいは閣僚級に、こちらも、是非とも、大臣の方のリーダーシップで、新しい、未来志向で今こそやるべきだと思っておりますので、先ほどそれぞれとおっしゃったのでこちらだと思いますが、是非とも進めていただきますようお願いいたします。  次へ移ります。  次、日米地位協定の話なんですが、先ほど来申し上げておりますように、ウクライナ情勢を受け、改めて、我が国の平和の問題、国民的な意識も、相当皆さん不安も高まっていると思っております。そういった意味で、もう一度日米関係というのを、私は足下からしっかりと固め直しをしていかなきゃいけないと思っております。  そのときに、残念ながら、日米の地位協定の環境補足協定の実効性について、様々問題があるというふうに思っております。  二〇一五年に補足協定が締結されました。それによって、残念ながら具体的な事件が起こったり事故があったときには、しっかりと米軍も対応していただいております。一方、これまで、一年間に一回、例えば環境の汚染なんかの問題があったときに、毎年のように環境省の方で立入検査ができておりました、そういったこともなかなかやりづらくなってしまっている。  特に、有害物質の流出などが、今、在日米軍の、起因しているんじゃないかという様々な疑念が持たれている中で、特にPFOSとかPFOAとか、これは今沖縄では相当深刻な問題だと聞いております。私の地元の神奈川県の県央地域の厚木基地あるいはキャンプ座間等がありますが、そこでも、私もこの前地元の方たちから、この問題、相当今深刻です、やはり不安ですというお声を聞きながら、また、市役所でも、あるいは環境省さんからもこの地域の検査状況を聞きましたら、去年と、また一昨年と続いて、ほかの地域よりも二桁ぐらい違うんですね。私の地元の綾瀬市では二十六倍でした。このPFOSの検査、暫定目標値の二十六倍に当たる、こんな状況。  そこに関して、是非とも、まずこちらも外務大臣にも、まさにそういった意味では、環境補足協定の実効性について大臣の御見解をお聞かせいただきたく。  私としては、問題意識としては、環境補足協定を新しく設けたこと、私はこのことは物すごい評価されることだと思っております。なかなか、地位協定というのは、これは変えられないです。そういった意味で、前進して、岡田先生が外務大臣のときも様々御尽力いただいて、そこからの流れの中でできた大切な協定だと私は思っておりますが、残念ながら幾つか現場では問題が起こっている、それに対して何らかのまた措置をしていかなきゃいけないと思っております。  そういった視点から、今、この実効性に関して、大臣の御見解、お願いいたします。

○林国務大臣 このPFOSをめぐる問題なども含めまして、在日米軍による環境問題への対応に関しては、国民の皆様の不安、これを払拭すべく、関係自治体や米側と連携しながら、政府全体として取組を進めてきておるところでございます。  二〇一五年に締結されました環境補足協定でございますが、環境基準や立入りについて、法的拘束力を有する協定という形式で規定を設けたものでありまして、従来の運用改善とは質的に異なるものでございます。  二〇二〇年四月の普天間飛行場における泡消火剤の漏出事故や、昨年六月の沖縄の陸軍貯油施設における水の漏出事故の際、これは政府、関係自治体及び米側で緊密に連携して、環境補足協定に基づき、施設に立ち入り、現場確認や水のサンプリング調査等を実施したところでございます。  政府としては、地元の方々の関心に応えられるようにこうした枠組みが運用されていくことが重要であると考えておりまして、施設・区域内外の環境対策、これが実効的なものになりますように、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

○太委員 こちらは環境省あるいは防衛省の方からも、どうでしょうか。私から質問してもよろしいですか。御見解を。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。  今委員から御指摘ございましたように、令和元年度それから令和二年度、環境省が調査をしておりますが、米軍厚木飛行場の近傍等の河川などから、水環境中の暫定目標値を超えるPFOS等が検出をされているということでございます。  他方、この調査につきましては、暫定目標値を超過した原因であるとか、PFOS等の排出源を特定したものではないというふうに承知をしております。  防衛省といたしましては、引き続き、関係省庁、それから関係自治体と連携をしながら、必要な対応を取ってまいりたいと思っております。

○森光政府参考人 お答えさせていただきます。  環境省は、先ほど先生の方から御紹介ありましたように、令和元年度及び令和二年度に有機フッ素化合物の排出源となり得る施設周辺の河川や地下水等を対象として調査を行いました。  その結果、令和元年度は百七十一地点のうち十三都府県の三十七地点、令和二年度は百四十三地点のうちの十二都府県の二十一地点がその超過が認められているというところでございます。神奈川県も、先生がおっしゃるとおり超えている地点がございました。  環境省では、このPFOS、PFOA、暫定的な目標値を超えて検出された場合には、地方公共団体が対策を講じる場合の参考となります対応の手引、これを策定し、通知をしております。  神奈川県も、この通知に従いまして、追加的な調査、それから継続的な調査、そして人への暴露を防止するための、飲用に使わないといったようなことを指導して進めておるところでございます。環境省としても、それを後押ししていきたいというふうに思っておるところでございます。

○太委員 どうもありがとうございます。  大臣からも御説明ありました。ですけれども、やはり、事故がないと、事故があったら迅速に対応していただける、これは物すごい大事なことだと思うんですよ。そういった意味では前進だと思っております。  ですけれども、防衛省の方からも、特定できないと。それだったら、基地内を私はちゃんと調査すべきだと思いますし、明らかに基地から、私も現場を見ました、本当に百メートル、二百メートルないですね。しかも、誰でも行けるところですよ、その川も。  やはり何かあってからでは遅いです、これは。オミクロン株のときもそうでした。やはり、この基地の方たちあるいは基地の周辺住民の方たちの理解を得ることは物すごい大事ですので、もう一度ここを。ずっと放置していて、これは誰が責任を取るのか。何とかこれは改善していただかなきゃいけませんし、私が言いたいのは、上位の機関、2プラス2で、オミクロン株のときもそうでした、大臣、関わって、その中でしっかりと明文化規定する。立入り要請しても対応してくれなかったときのためのそういった新しい規定を入れていただく。そのことに向けてどうか御検討いただきますようお願いいたしまして、過ぎてしまいました、時間ですので、これで終わります。  どうもありがとうございました。失礼いたします。