【国会活動】外務委員会で質疑に立ちました(2022年4月6日)

★質問要旨★

  1. 旅券法の一部を改正する法律案について【外務大臣】
  2. 国連安保理改革、G20からのロシア排除について【外務大臣】
  3. 日米間における核抑止力に関する協議について【外務大臣】

★質疑映像★

★議事録

PDF版はこちらからご覧いただけます。

○太委員 太栄志でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。  外務大臣、本当に大変なところ、またこの後NATOの会議へと出席ということで、本当に連日の御健闘、御奮闘に心からの感謝とまた敬意を表します。どうも本当にありがとうございます。  私は、本日は四つのことをお伺いしたいと思っております。  もう大臣もずっとおっしゃっていますが、やはり今、我が国の外交としてはリアリズム外交、まさにそこだと思っておりますので、引き続き大臣には、その点、御留意されて御努力いただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。  まず最初は、先ほど来議論がありますこのパスポートの問題、旅券法の改正、このことが一つ。これは本当に国民生活にも、多くの人たちにも関心が高く、直結することだと思っておりますので、また、今回のウクライナ情勢を受けて、本当に様々、このパスポートの在り方というのが問われておりますし、また、私たち日本の国としても、様々な有事の際等を含めてどう対処していくのか、その点を確認させていただきたいと思っております。  二番目としましては、先日のウクライナのゼレンスキー大統領の国会での演説でもありました、また、日本時間の昨晩ですか、国連の常任理事会でゼレンスキー大統領がお訴えされておりましたが、まさに国連改革。このことを、今、ウクライナ戦争の中で、我が国としていかに、ロシアに対して、また国際社会に対してしっかりとした国家意思を示していくのか、そのことはやはり重要だと思っておりますので、そのことを二番目として伺いたいと思っております。  三番目は、やはり日本の平和。ロシアは隣国です。ロシアだけでなく、様々な軍事的な挑発が続く中での、侵略をいかに抑止していくのか、侵略抑止力としての、やはり私は、核の傘、この点を今日大臣にいろいろと、様々問わせていただきたいと思っております。  最後に、時間がありましたら日米地位協定。やはり、日米同盟をしっかりと深化させながら、ですけれども、足下、私は選挙区に米軍基地を二つ抱えております。そういった意味でも、基地周辺の方たち、また基地で働いている方たち、生活している方たち、そういった方たちにもやはり安心して、納得していただいて、日米同盟というのを私は前へと進めて、深化させていかなきゃいけないと思っております。  そういった視点からの四つの質問をしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  まず最初、今回の旅券法の一部改正に関してなんですが、私も先日、十年間のパスポート、更新をしました。一万六千円を支払いました、地元のパスポートセンターで。この発給手数料の一万六千円なんですが、旅券法第二十条で規定されています。  この手数料に関して、これまでも国会答弁において、現在の岸田総理大臣が、外務大臣のときの二〇一三年、九年前ですね、国民負担の軽減という見地から、絶えず見直しをし、検討しなければならない課題だというふうに明確にお話をされています。  また、旅券法の一部を改正する法律案には、衆参共に、これも二〇一三年、九年前ですね、手数料軽減を図るべく、事務の合理化などを含め、経費削減に努めるべきとの附帯決議が国会でもなされております。  先ほどの徳永先生の質疑にありました、世界最強のパスポートということで、それなりの費用というのはかかってしかるべきだと思っておりますが、一方で、先ほど、ドイツは何番目でしたかね、三番目ですか、ドイツは大体一万円ほどですね。イギリスも一万四千円ほど。  やはり、一万六千円というのは、これは岸田総理が外務大臣のときにも言っていましたし、国民負担を軽減するという観点から、これは見直しできないのかという点を外務省の方にお伺いいたします。よろしくお願いします。

○安藤政府参考人 お尋ねの手数料の件でございますけれども、現在、我が国の有効期限十年の旅券に係る手数料は一万六千円でございますけれども、本年一月時点におきまして、オーストラリアが約二万五千円、米国が約一万九千円、イタリア及びイギリスが約一万五千円、ニュージーランド及びカナダが約一万四千円となっておりまして、他の主要国との比較におきましても、特段高額であるとは考えておりません。  他方、今回の法改正におきましては、旅券の発給の電子申請等の導入などを通じまして、申請者の利便性の向上とともに、旅券事務の効率化を図るものでございます。もっとも、電子申請を導入するための経費がかかること、あるいは、パソコンやスマートフォンを持たない方などにも配慮して引き続き紙媒体での申請も受け付けるといったことの事情を勘案いたしまして、今回の法改正に際しては手数料の改正は行わないこととしております。  いずれにいたしても、手数料水準の在り方につきましては、国民の皆様の負担軽減という見地から、不断に検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○太委員 詳しく御説明いただきまして、ありがとうございました。国際比較も含めて教えていただきまして、ありがとうございました。  私、安藤領事局長に様々な形でアメリカ時代からお世話になっておりまして、詳しく御説明いただきましたが、一方で、やはり外務大臣の発言というのは重たいと思っておりまして、もう九年前です。その間ずっと、検討していくというふうにお話しされていますが、なかなかこれが進んでいない。ずっと一万六千円。  もちろん、国際比較は大事だと思っています。先ほど言いました、ドイツ、イギリス等を含めて。様々これから利便性を向上させていくという点も含めて先ほど御説明ありましたが、またこれはどうか引き続きの御検討を、何とか次回こそは下げていただけるように御検討いただきますようお願いをいたします。ありがとうございます。  次に行きます。  今回の改正法案では、大規模な災害の被災者に係る手数料の減免制度を新設して、大規模な災害に際して、申請者の経済的な自由の軽減を図るために特に必要があると外務大臣が認める場合において手数料を減額していく、そういったことができるとしておりますが、大規模な災害に限らず、例えば、我が国が武力攻撃を受けるとか、あるいは甚大な被害が生じた場合には、この特に必要があると外務大臣が認める場合、こういったケースに含まれるのかどうか、この点を、御見解をお願いいたします。

○安藤政府参考人 お答え申し上げます。  今回の法改正につきましては、今後、大規模な災害が発生する際に迅速に被災者に対する支援を実施できるよう、一般規定を新設するものでございます。ただし、発生する大規模な災害について、現時点で個別具体的に予断することはできませんので、したがいまして、様々な規模、様態の災害が起こり得ることを前提として、様々なケースに的確に対応できるような制度を整備する観点から、手数料の免除に加えて、減額も可能ということにすることにいたしました。  こうした減免の基準につきましては政令等で定めることとしておりまして、罹災証明書の発行を受けていること、あるいは災害救助法の適用などを勘案しつつ、これを定める予定でございます。  委員御指摘の武力攻撃につきましては、同法に明記されているとは承知しておりませんけれども、いずれにいたしましても、様々な要素を総合的に勘案して、関係法令の規定に基づいて適切に判断していくということになると考えてございます。

○太委員 ありがとうございます。  是非ともそちら、まさに様々な想定、まさに危機管理だと思っておりますので、そういった意味での措置をお願いいたします。  次に移りたいと思います。  次は、外務大臣の方にお伺いしたいと思いますが、今回の改正とは直接関係ありませんが、まさに今回のウクライナ情勢を受けて、先ほども言いましたが、様々、パスポートの在り方、問題になったと思っております。  我が国としても、三月二十九日、我が党の羽田参議院議員の質問主意書で、パスポートを持っていないウクライナからの避難民についても、政府は、パスポートを持っていなくても、代わりとなる渡航証明書を短時間で発行し、受け入れるとする、そういった答弁書を決定しております。  今、国民の五人に一人しか旅券を持っていない、五人に四人は持っていない、そういった状況、我が国として。旅券の発給申請から発給されるまで十日から二週間、私も今回、待ちました。そういった中で、先ほども言いましたが、日本の有事、あるいは周辺有事の際に、旅券を保有していない日本国民からの旅券発給申請が殺到して、発給手続に遅れが生じることが想定されると思っております。  今回、ウクライナのような事態が、もちろん、こんなことを起こしちゃいけないですが、万が一、我が国から海外へと避難しなければならない、そういったときに、どういった形で、手続の簡略化や、また手数料を免除する、そういったことを想定しているのかいないのか、そのことを含めて、大臣の御見解、大事なポイントだと思いますので、よろしくお願いいたします。

○林国務大臣 これは仮定の御質問でございまして、また、武力攻撃のような非常事態におきましては、個別具体的な状況に応じて対応を検討する必要があると考えておりまして、一概にお答えをすることは困難ではございますけれども、関係法令の規定に基づいて適切に対応していくことになる、こういうふうに考えております。

○太委員 大臣、今回、我々はいろいろと教訓を得なきゃいけないと思っておりますが、まずは、そういった意味ではパスポート。どういった形で、今からなかなか具体的に言えないと思うんですが、是非ともこちら、相当深刻な事態になると思いますし、様々なことを想定していくのが政治の、また政府の役割だと思っておりますので、この点、私はこれは大事なポイントだと思っておりますので、万が一、日本有事のとき、周辺有事のとき、我が国から海外へと渡航する際のパスポートの在り方、今、国民の五人に一人しかパスポートを持っていないんです。それ以外の方たち、相当これはいろんなことが想定されると思いますので、どうか引き続きの御検討をお願いいたします。  次に移ります。  国連改革に関して。私、前回の質疑のときにもお話をいたしました。ロシアとの関係、これは相当、いろんな意味で局面が大きく変わったと思っております。昨日、一昨日とジェノサイドが、本当に恐ろしいことですね、画面を見ることもできないような形の、海外のニュースを見ていてもそんな情勢が続いておりますし、我が国としても、明確に非友好国というふうにロシアから指定されています。また、平和条約交渉も、これは打切りだというふうに明確に言われている中なんですが、そういった中、ゼレンスキー大統領、やはり国連改革をということで、国会での演説でありました。  私は、やはりここは強い意思を、国家意思を示すべきと思っているんですが、まずこれも大臣に確認させていただきたいんですが、日本政府として、ロシアはソビエト連邦の法的継承国であると認識しているのかどうか、教えてください。お願いいたします。

○林国務大臣 これは、一九九一年の十二月に行われました独立国家共同体の首脳レベルの決定に基づき、ロシアから国連宛てに、安全保障理事会やその他全ての国連の機関におけるソ連の加盟国としての地位がロシアによって継続されるということを通知する書簡が発出をされております。  この通知は全国連加盟国に回章されまして、その後、こうした動きについて異論を唱える加盟国はおらず、現在もロシアが安保理常任理事国の席を有している、こういうふうに認識をしております。

○太委員 今、国連憲章では、ロシアは常任理事国に名前がありません。ソビエト社会主義共和国連邦というふうに明記されております。そういった意味で、確かに今大臣からありました、書簡が発出されたと。ですけれども、政府としては、何らかの形でそれを承認した、あるいはそれを認めているということで、そういった認識でよろしいんでしょうか、日本政府として。お願いいたします。

○林国務大臣 先ほど申し上げましたように、全国連加盟国にこれが回章されて、その後もこうした動きについて異論を唱える加盟国がおらず、現在もロシアが安保理常任理事国の席を有しておるというふうに認識をしております。  今の、移行については申し上げたとおりでございますが、我が国としては、やはり安保理は、その構成も含めて、現在の国際社会の現実を十分に反映する必要がある、こういう問題意識を有しておるわけでございます。  その上で、安保理改革などの国連憲章の改正を要する論点の扱いにつきましては、他の国連加盟国の動きもよく見ながら、国連憲章の改正を必要とする他の課題との関連、関係にも十分留意しながら、不断に検討していくという考えでございます。

○太委員 大臣、分かりました。  ですけれども、日本政府としても正式にこれは承認していないことだと私は思っておりますし、もちろん国連の中でもこれは承認手続は取られていない。国連憲章も、もちろんロシアが今常任理事国だというふうには明記されていない状況だと思っております。  そういった意味で、もちろん、国連憲章を変えるとか、なかなかこれは難しいことだと思うんですが、やはり私は、ロシアに対する国家意思を我が国として示すべきだと思っております。  そういった意味でも、やはり、ロシアの正統性、P5、常任理事国から外すという決議を総会で採決するように働きかけを、これは日本政府として、ごめんなさい、これは相当過激な発言と取られるかもしれませんけれども、これはずっと国連に改革を主張してきた、あるいは、東大の北岡先生が今回発言されております。  正統性がない中で、やはりそういった形での我が国からの働きかけは、相当なプレッシャーに、圧力にロシアに対してなるんじゃないかと私は思っておりますので、ここは、もちろん、プーチン後のロシアというのをしっかりと我々は見据えて外交をしなきゃいけないと思っておりますし、どうロシアを国際社会にまたソフトランディングさせるかというのは中長期的には考えなきゃいけませんが、今はやはり、私は、ここはしっかりと、ゼレンスキー大統領の一番の思いだったと思っております、機能していない国連、これをしっかりと、我が国の意思をどうか示していただきたいというふうにお願いをまた再度させていただきます。よろしくお願いいたします。  この問題に私がこだわるのは、やはり、ロシアは我が国の隣国です。同じように、東アジアでも、国連憲章を無視して領土拡張とか他国への軍事侵略という、これは私、あり得ると思っておりますので、様々想定してやらなきゃいけませんので、どうかこの点、今回こそ、私はあえて、大臣、我が国として、ロシアをP5から外すという決議をしていただけるように進めていただけないか、再度、もう一回質問、お願いいたします。何とかならないでしょうか。

○林国務大臣 ゼレンスキー大統領からも、今委員からお話がありましたような国連の改革等に対する思いが示されたということを承知しておるわけでございます。  日本もずっとこの問題に取り組んできて、いろいろなグループをつくって改革案を出して、こういうことをやってきたわけでございますが、今回の、常任理事国で拒否権を持つ、ある意味では世界の安全保障に大変大きな責任を持つロシアという国の国際法違反である侵略というものは、やはりこの改革の必要性というのを明らかに改めてしたということではないかというふうに思っておるところでございます。  各国、複雑な利害が絡み合う安保理改革、委員も御存じのとおりでございますが、これは簡単ではございませんけれども、岸田政権の下で、引き続き、多くの国々と協力して、日本の常任理事国入りを含む安保理改革の実現に今後とも全力を挙げてまいりたいと考えております。

○太委員 大臣、どうか引き続き国連改革を進めていただきたいと思っておりますので、その点からの質問になりますが、我が国の想定している国連改革、安保理改革の具体策の中で、紛争の当事国の拒否権に対して一定の制限を設ける、私、これは物すごい大事だと思っているんですが、そういった拒否権に関する一定の制限、この点に関して、入っているのか入っていないのか、そこを教えてください。お願いいたします。

○股野政府参考人 お答え申し上げます。  今御質問のございました拒否権を制限するという件に関しまして、政府としましては、従来から、常任理事国による拒否権の行使は、一般に、最大限自制されるべきと考えております。  こうした観点から、我が国は、大規模な残虐行為については、常任理事国五か国が自主的に拒否権行使を抑制すべきとするフランスとメキシコによる提案、これを支持してございます。  フランスとメキシコの提案は、我が国を含む百五か国・地域からの支持を得ておりまして、一方で、ロシアを含む他の常任理事国からの支持はまだ得られていないものというのが現実でございます。  こうした拒否権の問題を含めて、安保理の改革は決して簡単ではございませんが、引き続き、積極的に日本としても活動してまいる所存でございます。

○太委員 ありがとうございます。  まさに、先ほど大臣の方からもお話がありました、国連の中の様々なグループでということで、G4というんですか、日本とドイツ、インド、ブラジル、常任理事国入りを目指してということで様々な動きをされているというふうに思っておりますが、さらに、このメンバーをどう増やしていくのか、仲間を、あるいは、常任理事国入りの仲間を増やしていく、そういった動き等、働きかけ等というのは行っているのかどうか、教えてください。お願いいたします。

○林国務大臣 先ほども申し上げましたように、ロシアが国際秩序の根幹を揺るがす暴挙に出たということは、まさに新たな国際秩序の枠組みの必要性を示していると思っております。  長年この改革の必要性を訴えて、積極的に我が国は活動してきたわけでございまして、やはり、現在の国際社会の現実を反映するように安保理の構成を変えていかなければならない。そういった意味では、常任及び非常任の双方の議席を拡大するということが重要だと考えております。  こういう問題意識を共有するブラジル、ドイツ、インドとともにG4という枠組みをつくって、安保理改革に取り組んできております。  また、三月二十六日と二十七日にTICADの閣僚会合を行いましたが、私からは、アフリカ諸国に対しても、国連安保理改革の必要性も取り上げてきたところでございます。  G4のほかに、アフリカグループというところがございます。さらには、コンセンサスグループ、UFC、ユナイティング・フォー・コンセンサスというものも決議案を総会に提出したこともあるわけでございまして、我々としては、先ほど申し上げましたようなアフリカ諸国、アフリカグループとも連携を視野に入れながら、複雑な利害が絡み合う安保理改革、決して簡単ではございませんが、そうしたアフリカ等を含めた多くの国々と協力をいたしまして、日本の常任理事国入りを含む安保理改革の実現に向けて、リーダーシップを取っていきたいと考えております。

○太委員 分かりました。ありがとうございます。  なかなかこの安保理改革は難しいと大臣今おっしゃっていたとおりだと思っております。しかし、これは、大きな流れをどうつくっていくのか、まさに今回をそのいいきっかけにして進めていただきたいと思っておりますし、先ほどもありましたように、フランス、メキシコですか、拒否権に関してはやはり一定の制限をということでも、そういった動きもありますので、是非ともこの国連改革を進めていただきたいと思っております。  次に移りますが、G20サミット、これは十一月なんですが、実際は。バイデン大統領は、ロシアをG20から排除する必要があると思うかと問われて、イエスと答えておりますし、G7の首脳声明でも、国際機関や多国間フォーラムは、もはやこれまでどおりにロシアとの間で活動を行うべきではないというふうに明記をしております。  そういった中で、我が国として、G20からロシアを排除していくということに関しての見解を、政府の立場を教えてください。お願いいたします。

○林国務大臣 まさに今委員から御指摘があったように、国際社会は、ロシアのウクライナ侵略によりまして、ロシアとの関係をこれまでどおりにすることは、もはやできないと考えておるわけでございます。  先般のG7首脳会合、今御指摘がありましたけれども、ここにおいても、国際機関や多国間フォーラムは、もはやこれまでどおりにロシアとの間で活動を行うべきではないという点で一致をしたところでございます。  G20へのロシアの参加については、議長国であるインドネシアを始めとするG20のメンバーとも議論しながら、今後の情勢をよく踏まえた上で、政府として適切に対応してまいりたいと考えております。

○太委員 ありがとうございます。  先ほども言いましたが、もちろん中長期的な視点は大事だと思いますが、今やはり、G7をまさに主体とした国際的な連帯をしっかりと示していくことだと思っておりますので、そこからスタートして、何とか大臣のリーダーシップをまさに発揮していただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  そして、これは岸田総理も言っております、国連改革の中で、国連に代わる新たな国際秩序が必要だということを言っているんですが、一方で、政府として、じゃ、どういった新たな国際秩序を目指しているのかというところがなかなか見えてこないと思っております。  そこに関して、大臣の方から、現在、どういった形で国際秩序というのをつくっていかれようとしているのか、もし構想等ございましたら教えていただきたく、お願いいたします。

○林国務大臣 アジアにおきましては、やはりASEAN、これが地域協力の中心として重要な役割を担っておりまして、東アジア首脳会議、EAS、またASEAN地域フォーラム、ARF、拡大ASEAN国防相会議、ADMMプラス、こういう多層的な地域の協力の枠組みがあるわけでございます。  我が国としては、ASEANの中心性を尊重しておりまして、引き続き、こうした枠組みに積極的に貢献して、地域の安全保障枠組みの強化に取り組んでまいりたいと考えております。

○太委員 ありがとうございます。  私も、やはり鍵はASEANだと思っております。今大臣からもありましたように、ASEANを中心として、まさにADMMプラス、国防大臣級会議等も含めて、これはアメリカとイギリスも入っています。あと、様々な形で、災害復興とか人道支援とか、まさに防衛外交というんでしょうか、そういった様々なことを進めていく、その土台としていろいろとASEANで工夫しながら進めていっているのが、私は、長期的に見ると、軍同士でのおつき合いであったりとか、そういった多国間協力の場として有効に活用できると思っておりますので、やっていただきたいと思っております。  あと、やはり、ASEAN諸国は、ですけれども、一方で一番ネックになるのが、米中、今既に新冷戦と言われる、様々しのぎを削っている中で、じゃ、アメリカか中国かどっちかと問われるのが一番、これはASEANの国々にとってはなかなか決断できないところでもあると思いますので、そういった意味でも、私としては、まさに日本がインド太平洋の自由で開かれた地域をしっかりと主導していく、リベラルな国際秩序を主導していく、そのことをやっていく。これは、米中じゃなく、そういった緩やかないろいろな共同体をつくって、ASEANを一つの土台として発信していただきたいと思っております。  その際に、これはまた西太平洋連合という形で、こちらは我が国として、もちろん、これはオーストラリアやニュージーランド、太平洋の島々、島嶼国も含めながら、緩やかな、中国ともうまく共存しながら、アメリカもしっかりとこの地域に結びつけながらやっていただく西太平洋連合に関して、こちらに関して、大臣、もし御見解等ありましたら。よろしくお願いします。

○林国務大臣 西太平洋連合という構想、これも承知をしておるわけでございます。  先ほど、まさに委員からもお話がありましたように、ASEANがやはりASEAN中心性ということを非常に重視をしておりますので、ここの地域で何かをやっていくときというのは、まさにそこにしっかりと重要性を認識しながら進めるということが一つ必要であるかなというふうに思っております。  西太平洋ということになりますと、今現在ございますAPECというのもございます、環太平洋ということでございますが。そういうものが、先ほど申し上げましたASEANを中心とした組織と、やはり今委員がおっしゃいましたように、いろいろな取組を重層的に重ねることによって、この地域の共同体意識が更に強固になっていく、こういう方向性を目指していくということが大変重要であるというふうに考えております。

○太委員 ありがとうございます。  我が国がしっかりとリベラルな国際秩序をつくっていこう、その強い意思と、私は、主導していくことが、リーダーシップが大事だと思っておりますので、私自身も引き続きこの問題を追いかけていきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。  次に、核の傘、米国の日本への拡大核抑止に関して質問させていただきます。  私は、国防問題というのはタブーを設けてはいけないと思っております。しかし、今様々議論になっております核共有ではなく、具体的に日本の国に核を配備していくのではなく、やはりまずは我が国としては、核なき世界というのをしっかりと理想を掲げながら、今、日米間での拡大抑止をどう担保して、しっかりと確実にして、さらにはこれを強化していくのか、そのことが一番大事だと思っております。  毎回お伝えしていますが、やはり今回のウクライナの問題を受けて、国防に関するというんでしょうか、安全保障に関して、我が国の安全保障が脅かされている、そういったふうに感じている国民の方が八割から九割、これは毎日新聞だと九割になっていたと思います。  そういった意味で、我々としては、やはり現実的な国防論議をしっかりと進めていくべきだと思っておりまして、そういった意味でも、私たち日本の国の安全保障の根幹の部分、それがまさに米国の核の傘、拡大抑止であるわけなんですが、その点に関して、日米間における拡大抑止の担保はどのように確認されているのか、大臣、そこを教えてください。お願いいたします。

○林国務大臣 米国は、累次の機会に日米安全保障条約の下での自国、すなわちアメリカの対日防衛義務を確認してきておりまして、この点は今年の一月の日米首脳のテレビ会談におきましても、バイデン大統領から改めて表明があったところでございます。  また、同じく一月に日米の2プラス2を行いましたけれども、アメリカ側からは、核を含むあらゆる種類の能力を用いた日米安保条約の下での日本の防衛に対する揺るぎないコミットメント、これが改めて表明をされておるところでございます。  日本政府として、米国が核を含むあらゆる種類の能力を用いて条約上の義務を果たすということに全幅の信頼を置いておりまして、拡大抑止は機能していると考えております。  日米間では、核抑止を含む米国の拡大抑止に関しまして、日米の拡大抑止協議の場を含めて様々なやり取りを行っておりまして、引き続き、米国の拡大抑止の信頼性の維持強化に向けまして、日米間でしっかりと協議を行ってまいりたいと考えております。

○太委員 大臣、ありがとうございます。  私も、米国の核の傘というのはちゃんと機能しているというふうに確信しております。ですけれども、一方で、やはり、それがちゃんと機能していくのか、運用されていくのか、そこは常に確認していかなきゃいけないと思っておりますし、今大臣が御指摘された日米拡大抑止協議、これは二〇一〇年、民主党政権時代からスタートした。まさにその前のオバマ大統領の核なき世界のプラハでのスピーチを受けての日米拡大抑止の協議だったというふうに認識しております。  この拡大抑止協議、様々、私も外務省の方からお話を聞かせていただきました。実際、二〇一〇年からスタートしていますが、二〇一三年以降ですか、ホームページ等でも、開催しているという、誰が参加しているか、そういったことは簡潔にホームページに掲載されております。  それでは、EDD、日米拡大抑止協議、日米間でどのような議論が交わされているのか、外務大臣は当局者間でのやり取りを承知しているのかどうか、どんな内容なのか、また、その報告がされているのかどうか、そこを教えていただけますでしょうか。お願いいたします。

○林国務大臣 日米両国間では、日米拡大抑止協議の場を含めて、同盟の抑止政策に関連する様々な事項につきまして、日頃から緊密かつ幅広く意見交換を行っておるところでございます。  こうしたやり取りの詳細につきましては、我が国の安全保障に関わるという事柄の性質、また米側との関係もございまして、お答えは差し控えさせていただきますけれども、一般論で申し上げますと、抑止政策に係る我が国の基本的な考え方として、主に二点を米政府に説明してきております。  まず第一点でございますが、我が国は、日米安全保障条約がもたらす核抑止を含む抑止力を重要な柱として自国の安全を確保しており、この観点から、米国が保有する様々な核戦力と通常戦力の総和としての軍事力によって提供される抑止力について、その信頼性が維持されることを重視をしている。二番目に、これとともに、核兵器を含む軍備削減等の努力を重ね、核兵器を必要としない平和な国際社会をつくっていく、このことが重要であるということでございます。  私も、米国の拡大抑止政策をめぐる議論につきましては、適時適切に報告を受けておるところでございます。

○太委員 ありがとうございます。  ちょっと最後、分かりづらかったんですが、この拡大抑止会議の報告をしっかりと適宜大臣は受けているということでよろしいでしょうか。ごめんなさい、もう一度、大事なポイントですので。

○林国務大臣 この日米拡大抑止協議の場を含めた米国の拡大抑止政策をめぐる議論につきましては、適時適切に報告を受けております。

○太委員 大臣、ありがとうございます。  私は、このことは物すごい大事なことだと思っておりまして、というのも、この会議というのが、局内のナンバーツーの方たちですね、事務方会議ということで、我が方からは北米局の参事官、向こうもカウンターパートが出てくるということで、まさに事務方の協議だというふうに認識しておりまして、もちろん、しっかりと報告を受けているのであれば私はいいと思っているんですが、一方で、これまでの、防衛、外務だと思っております、大臣経験者の中で、なかなかどういった実態で運用されているかというのが実情がよく分からない、事務レベルで話し合っているのかもしれないが、実情はよく分からないというコメントが結構出ているんですね、メディアを通して。  本日いらっしゃらないんですが、岡田先生、先日、党内の部会で様々お話をされた中で、二〇一〇年からスタートした中で、しっかりと報告されているかどうかというのは、私はそこはよく実態は分からないとおっしゃっていました。  そういった意味で、大臣にしっかりと届いているのであればいいと思っております。  さらに、ですけれども、やはりそれだけでは私は足りないと思っております。この問題というのは、米国がどう日本防衛のために核兵器を使用するかどうか、その意思決定に我が国がしっかりとコミットしていく、加わっていく、私はそこが最終的にはキーだと思っておりまして、そこまでいかないことには、これ、様々な不安があると思います。  まず、私が先ほど伺った、ちゃんと核運用がなされているかどうか日米で協議されているか。というのは、これ、まさに米国から見捨てられる恐怖だと思うんですよ。それに対して、アメリカの方が様々性急に行動してしまって、逆に必要以上に攻撃してしまう、それによって我が国が巻き込まれる恐怖というのもあると思っているんですが。  そういった意味で、これからでも、私としては、まさに日米間で有事の際の核運用に関して、この議論に政治家が加わるべきだと思っております。というのも、この日米拡大抑止協議を今の事務レベルから閣僚級に引き上げるべきだと思うんですが、この点に関しての大臣の御見解をお願いいたします。

○林国務大臣 今委員からもお話がありましたように、我が国を取り巻く安全保障環境、また、現実に核兵器が存在しているということを踏まえますと、核抑止力を含む米国の拡大抑止は不可欠であり、米国と緊密に協議、協力していくことが重要であるということは言うまでもないことでございます。  日米間は、そうした文脈において、今御議論いただきました日米拡大抑止協議の場を含めて様々なやり取りを行ってきております。これを閣僚級に上げるという御指摘でございますが、まさに、それを閣僚級に上げると、2プラス2になるわけでございます。  まさに、この一月の日米2プラス2においても、閣僚レベルで日米両国が、米国の拡大抑止が信頼に基づき、強靱なものであり続けるということを確保することの決定的な重要性を2プラス2において確認をしたところでございます。  いずれにいたしましても、重要な御指摘をいただいておりますので、引き続き、米国の拡大抑止の信頼性の維持強化に向けまして、日米間でしっかりと協議を行っていきたいと考えております。

○太委員 大臣、ありがとうございます。  お伺いしたいんですが、ちょっとごめんなさい、これは質問、事前通告していないんですが、それじゃ、2プラス2では、核をめぐる運用に関する話まで、しっかりとそこは政治家同士でできるのかどうか、そこは教えていただくことはできるんでしょうか。お願いいたします。

○金井政府参考人 お答え申し上げます。  事実関係でございますので、私から御答弁申し上げます。  拡大抑止協議等々で行われております日米の緊密な、核抑止政策を含む様々な安全保障に関わる事柄を緊密に協議させていただいておりますけれども、まさに我が国の安全保障に関わる事柄の性質もございますし、また、米国との関係もございますので、詳細にお答えを申し上げることは差し控えたいと存じますけれども、先ほど大臣からも御答弁ございましたとおり、この一月の2プラス2の場で、まさに、アメリカの拡大抑止が信頼できるもの、強靱なもの、こういうことであり続けることを確保するということについて四人の閣僚の方々が意見交換をされた結果、先ほど御紹介させていただいたような共同声明が出されているわけでございます。  議論の詳細は、大変申し訳ございません、差し控えさせていただきますけれども、日米双方の間で非常に緊密な意見交換が行われているということを御報告申し上げます。

○太委員 ありがとうございます。  もちろん、出せないところは当然あってしかるべきだと思っておりますが、今、様々国民的な不安が高まっていると思っておりますので、是非とも政治家から、政治の側から、政府からももちろん、しっかりとここは説明していただきたいと思っておりますし、岸田総理が自民党総裁になられる前に、これは御著書でも言っていますが、日米拡大抑止協議、これは運用を実際に話し合うところだと思っていますので、総理も以前、閣僚級にしっかりと上げるべきだ、そういった提言をされていますが、私はそこを、2プラス2ももちろん大事です、運用も含めて、そこを確保していくということをやっていただきたいと思っております。  先ほどちょっと冒頭言いましたが、大臣にもう一つお伺いしたいのが、やはり意思決定というのが大事だと思っておりまして、我が国として、しっかりとノーと言える、そういった権利を含めた、米国が日本防衛のために核兵器を使用する意思決定に我が国が関与すること、これは想定しているのかどうか、現時点での御返答をお願いいたします。

○林国務大臣 これは繰り返しになるかもしれませんが、日米間では、同盟の抑止力、対処力強化に向けた様々な取組について、様々なレベルで日頃から緊密かつ幅広く意見交換を行っております。  この日米拡大抑止協議では、米国が提供する抑止力の信頼性が維持されることが重要であるということを我が国から説明してきておりまして、双方向の緊密なやり取りが行われております。  この一月の日米2プラス2においても、今事務方から答弁がありましたように、米国の拡大抑止が信頼でき、強靱なものであり続けることを確保することの決定的な重要性を確認している。同時に、米国は、核を含むあらゆる種類の能力を用いた、日米安全保障条約の下での日本の防衛に対する揺るぎないコミットメントを説明をしております。  さらに、日米は、二〇一五年の四月の日米ガイドラインに従いまして、同ガイドラインに記載された同盟調整メカニズムを通じまして、平時から緊急事態までのあらゆる段階における自衛隊と米軍の活動に係る政策面そして運用面の調整を強化するために様々なレベルで緊密に連携することとしております。  こうした点も踏まえて、今後とも、日米拡大抑止協議の場も含めてあらゆるやり取りを通じて、日米同盟の深化を不断に進めてまいりたいと考えております。

○太委員 時間が過ぎてしまいました。大臣、詳しく教えていただきまして、ありがとうございました。  どうか、引き続きこの問題、核の傘の問題ですね、しっかりとこの関係を強化しながら進めていただきますようお願い申し上げまして、私からの質疑といたします。  どうもありがとうございます。