【国会活動】内閣委員会で質疑に立ちました(2022年11月16日)
★質問要旨★
- 子ども政策について(通学路行政、そと遊び環境、少人数学級)【小倉担当大臣】【文部科学省】
- いわゆる反撃能力について【内閣官房長官】
- 国民保護体制の強化について【内閣官房長官】
★質疑映像★
★議事録★
※PDF版は準備が整い次第、更新させていただきます。
○大西委員長 次に、太栄志君。
○太委員 神奈川十三区の太栄志でございます。 本日は、子供の安全を保障すること、そして国家の安全を保障すること、この二つをテーマに各大臣に質問したいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。 まず、子供の通学路の安全確保に関して小倉大臣にお伺いさせてください。 私、国会での最初の質問は今年の二月でした。こども家庭庁の創設に当たって、通学路行政を一元化をして、そして、こどもまんなか社会を具体的に、子供の命が奪われなければ政治も行政も動き出さない、こんなおかしな国を変えなきゃいけないという視点からの質問をさせていただきました。 まず、私、浪人中、五年半ありました、そして国会議員になって一年間、街頭に立って、地域を歩いてくる中で一番多かった陳情の一つがまさに危険通学路、何とかしてくれ、そういった親御さんたち、あるいは地域の方たちからの質問だったんですが、大臣の選挙区、県はまたいでいますが、私の隣になりますので、同じような事情を抱えているんじゃないかと思っております。 この問題、このパネルにも書きましたが、やはり通学路行政が四つの省庁にまたがっていること、文科省、国交省、警察庁、内閣府と、そのことが私は一番の問題だと思っております。まず、大臣、そこを何とか改善していただいて、縦割りを解消するためにも、こども家庭庁で司令塔機能を担わせるべきだと思うんですが、その点に関する大臣の見解をお願いいたします。
○小倉国務大臣 太委員の御地元も私の地元も近くにございます。住宅街があって、道路もそんなに広くなく、一方で車両の通行も多いところであります。そういった中で子供の通学路に係る安全はしっかり確保していかなければいけないというのは、私も思いを同じくしております。 そういった中で政府の体制はということでありますが、通学路の安全確保について、これまでも文科省、国交省、警察庁など様々な省庁が関わっておりまして、犯罪から子供を守る観点につき内閣官房、交通安全の観点につき内閣府を中心とする取りまとめの下、的確に進めてまいりました。 来年四月に創設をするこども家庭庁へ移管する法律、事務の考え方については、昨年末に閣議決定した基本方針におきまして、法律の目的を主として子供の権利利益の擁護、子供や家庭の福祉、保健等の支援を目的とするものは移管する一方で、国民全体の教育の振興、福祉の増進、保健の向上等を目的とするものについては関係府省庁の所管としつつ、子供の視点から総合調整を行うことといたしております。 この点、登下校時の通学路における防犯も含めて、防犯教育の推進など犯罪から子供を守るための対策については、主として子供の安全に関するものであり、こども家庭庁に移管することとしております。 他方で、通学路を含めた交通安全については、昨年六月の八街市の死傷事故を受けて、ガードレール等の交通安全施設等の整備などを内容とする緊急対策を取りまとめておりますが、子供に限らず、交通安全政策全体の中でその向上を図ることが効果的であると考えております。そのため、引き続き、交通安全対策基本法に基づく基本計画に従いまして、内閣府が取りまとめを行ってまいりたいと思っております。 ただ、各行政分野において各々の政策目的を追求する中で、必要な場面でしっかりと調整し緊密に連携することが政府全体としての施策の充実、質の向上につながる場合もあると考えております。こども家庭庁は子供施策に係る司令塔機能を任されておりますので、単に所管を一元化するというのではなくて、子供の視点から見て、通学路の安全確保を含めた子供政策が推進される観点から、しっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。
○太委員 大臣、ありがとうございます。 ですけれども、今、防犯のこと、あるいは犯罪から守ること、このことはこども家庭庁、是非とも、これは安全も一緒だと私は思っています。だからこそ、ずっと、子供の視点は大事です、あと親御さんの視点、親御さんからすると、やはり、どれだけ陳情しても、いつも言われるのは、お金がないからなかなか改善してくれない。役所に言っても、そんな状況がずっと放置されます。 やはり、そういった意味でも、私は、まず財源をしっかりと確保する、そして、権限を明確にした中で、結局は責任。責任の所在もずっと不明です。だからこそ、ずっと放置されてくる。この状況を何とか改善していただかなきゃいけないと思っています。 これは質問通告しましたが、それを象徴しているのがまさに去年の、大臣が触れました八街市のあの痛ましい事件を受けて、翌月七月から十二月にかけて文科省さんが取りまとめをして、全国での通学路一斉合同点検を行ったということなんですが、これ、ちょっと御説明を、文科省の方。私が指摘するのは、全国一斉の合同調査、この結果が、政府に問い合わせても具体的なことを教えていただけないんですよ。というのも、具体的なデータを持っていないと。この現状、これは本当におかしいと思いますので、その点に関して、一元的に公開すべきだという視点から質問させていただきたいと思いますので、どうぞ、文科省の方、まず御返答をお願いいたします。
○里見政府参考人 お答えいたします。 文部科学省におきましては、国土交通省、警察庁と連携をいたしまして実施した小学校の通学路の合同点検の結果、本年三月、七万六千四百四か所の対策必要箇所が抽出され、現在、各自治体において対策が進められていると承知しております。 今回の合同点検を踏まえまして、文部科学省としては、各自治体において、地域住民等の協力を得るためにも、対策必要箇所等を公表し、適切に情報発信するということを促しているところでございます。 一方、自治体の中には、例えば人通りが少ない箇所などといった、公表することで防犯上の懸念が生じる等の理由によりまして対策必要箇所を公表していない場合もあるというふうに伺っております。そのため、国におきまして対策必要箇所の詳細を一元的に把握し公表することにはなじまないものと考えているところでございます。 文部科学省といたしましては、通学路の安全確保のため、引き続き、関係省庁と連携いたしまして、各自治体における対策必要箇所の取組状況について定期的なフォローアップを行うなど、各地域の取組を一層推進してまいります。
○太委員 ありがとうございます。 今、合同点検を受けて五割近くが対応を完了したということで、少しずつ進んでいること自体は私も評価できると思っていますし、ですが、今御指摘のとおりで、各市町村によってやはりばらつきがあります。これも、どの視点から考えるか。 もちろん、危険箇所ということで出せないところはあるかもしれない。ですけれども、やはり、これは親御さんの視点からしても、あるいは、国の税金を使う、国民の税金を使って全国調査しながら、数字しか教えてもらえない。もちろん、ちゃんとホームページ等でも公開している市もあります。ですけれども、私たち国会議員の事務所から連絡してもそこを教えてくれない状況。文科省の方に昨日、私、レクの中で問い合わせたら、文科省としては、問合せがあれば各自治体に確認をして公表できますとおっしゃっていましたけれども、ですけれども、いまだに私は結果を教えてもらっていないです。現状、こういった状況。 これはやはり、しっかりと国民に対しても教える、情報公開する義務があると思っていますし、ここは政府にはしっかりと一元的に私はオープンにしてほしい。この点に関して、小倉大臣、所管外かもしれないですけれども、御見解をお願いいたします。
○小倉国務大臣 お答えをいたします。 委員御指摘の対策必要箇所の場所に係る一元化、さらには公開をするかどうかにつきましては、先ほど文科省から答弁ありましたように、様々な事情を勘案をしながら、通学路合同点検の取りまとめ官庁であります文科省におきまして適切に判断をして対応すべきものだというふうに考えております。 ただ一方で、総理からは、緊急対策の進捗状況については、対策に遅れが生じないよう、交通安全対策を担当する大臣、今は私でありますけれども、においてしっかりと管理をするよう指示がなされておりますので、内閣府においても、必要に応じて文科省を始めとする関係省庁とも連携をしながら、しっかりと進捗管理を行ってまいりたいというふうに思っております。
○太委員 大臣、やはり通学路の安全を確保していくという視点から、私はこれはこだわって主張させていただきたいと思っていますが、やはり、いろいろな省庁を始め、作成過程に関してもいろいろなところが関わっている中で、国として危険箇所を把握すらしていないというのはやはりおかしいと思います。これは、内閣府も把握していない、文科省さんも把握していない、こんな状況。親御さんからしても、数は分かった、だけれども危険な箇所がどこなのか分からない。 我々も、危険通学路を少しでもなくしていく、そのために常にチェックをして一つ一つ改善していくということが、やはり子供を守っていくこと、こどもまんなか社会に向けた私は最低限の一歩だと思っておりますので、是非ともここは、こども家庭庁の中で、何らかの形で一元化して、ポータルサイトを作るとか、いろいろなやり方はあると思いますが、そこを進めていただきたいと思っていますので、この通学路の問題、子供の命がなくならないと対応しない、こんな状況を一刻も早く変えてもらうためにも、一元化を今後もお訴えさせていただきたいと思っていますので、大臣、どうぞよろしくお願いいたします。 続きまして、子供の外遊びの重要性について、ちょっと大きなテーマですが、大臣、その重要性に関しての御見解を教えてください。お願いいたします。
○小倉国務大臣 外遊びについてでありますが、強く健康な体の育成や健全な心の育成といった、子供たちの健全な成長に極めて重要な役割を担うと同時に、社会で活躍するのに今後ますます必要となる能力の育成に大きく寄与するものであると考えております。 特に、今、子供たちは学校でも家庭でもデジタルデバイスと向き合う時間が増えております。そういった中で、時間と空間と仲間、両方とも間という言葉が入っておりますので三間とも言われておりますけれども、そういった三間も減少する中で、子供たちの外遊びの時間というのは、近年だけ見ても減少しているところでございます。 そういった中で、昨年末に閣議決定した基本方針におきまして、今後の子供政策の基本理念として、全ての子供が、安全で安心して過ごせる多くの居場所を持ちながら、様々な学びや多様な体験活動、そして外遊びの機会に接することができることが重要としておりまして、こども家庭庁におきましても、外遊びを含めた子供の居場所づくりに積極的に取り組んでまいりたいと思います。
○太委員 大臣、ありがとうございます。 これは、十一月二日ですか、子供たちから大臣に、外遊び環境を整えてほしいと、そういった記事を私も読ませていただきました。 まさに今、子供たちに、現代社会というのは様々なストレスもあるし、遊ぶ場もないし、外で遊んでいても、特に都市部だと近隣住民からのクレームとか、本当に子供たちはかわいそうな今環境だと思っておりますので、大臣がおっしゃった先ほどの三間ですか、空間、仲間、時間をどう確保していくのか、ここはまさに政治がしっかりと進めていかなきゃいけないと思っていますし、その点で、放課後の校庭開放を推進していただきたい。 これは私も、地域で様々、親御さんたちからもお話を聞いている中でも、やはりふだん通っているところで子供たちがしっかりと遊んでほしい。あと、NPOで子供食堂やあるいは学童の運営をやっている方からもお話を聞いたんですが、もちろん開放している学校は多いです、大分増えてきました、ですけれども、やはりまだむらがあって、その特定の地域の子供たちはなかなか遊ぶ場がなくて困っていると。 これを改善するには、やはり私は国としての一元的な対応が必要だと思っていますが、その点に関して、校庭の開放の推進、その際に重要になってくるのが見守りをする人たち、その確保について、これはお金もかかることですが、この点に関する大臣の御見解、こちらを教えてください。
○小倉国務大臣 太先生御指摘のとおり、学校開放は大分進んでおりますが、まだできていない学校があること、あとは、開放している学校の校庭もなかなか制約があって、地域の一般の子供たちが使いづらいことということは耳にいたしております。 そういった中で、子供をけがさせない、あるいは防犯をしっかりするという意味でも、いわゆる大人、見守りの人材というのも非常に重要であるというふうに思っております。 一義的には、所管をいたします文部科学省において、令和二年に学校体育施設の有効活用に関する手引きを策定をし、地方公共団体へ周知すると同時に、地域の多くの方々の参画や見守りにより、放課後等において子供たちに様々な体験の機会を提供する取組に対して支援を行っているというふうに承知をしております。 子供たちの健やかな成長のためにも、小学校の校庭開放などにより放課後に外遊びができる場の整備が図られていくことが望ましいと考えておりますし、こども家庭庁としても、先ほど申し上げたような子供の居場所づくりをしっかり進めることによって環境整備に努めてまいりたいというふうに思っております。
○太委員 大臣、引き続きの対応をどうかよろしくお願いいたします。 質問通告で、街区公園、子供の本当に身近にある公園の、小規模公園の予算拡充について質問する予定だったんですが、これはちょっと時間がなくなったので、子供たちのまさに陳情の中にもあったと思いますが、それを是非とも大きく進めていただきたいと思っております。 大臣、最後に、少人数学級の実現について質問させていただきたいと思います。 先月、私の地元で、子育てと教育のタウンミーティングということで、今いろいろなところで、まさに参考人として国会でもいろいろと御見解を披露されたりと、まさに新進気鋭の教育学者だと思っているんですが、末冨芳先生と、講師としてお越しいただきまして、大体五十人ぐらいの市民の方たちと、いろいろと、日本の今の教育の在り方と問題点を様々議論した中で、やはり今一番問題なのは、子供たち一人一人に大人が、そして教師が向き合えない状況だ、これを何とか変えていくためにはどうしていくかというのが結論となってまいりました。 その中で、今、もちろん政府としては、昨年からですか、四十人から三十五人学級にようやくこれは動き出しました。ですけれども、国際的に見たらまだまだ、先進国は二十人学級は当たり前です。だから、私は、まだまだこれは前へと進めていかなきゃいけないというふうに思っていますし、末冨先生がおっしゃっていたのは、やはり国際的な比較も大事、あと、体験的にも二十名を超えると生徒に目が届きにくい、こんな状況がありますので、そこをどう改善していくのか。もちろん、これはやはりお金の問題、予算の問題になってきます。 そういった意味で、この点に関する大臣の御見解をお聞かせいただきたくお願いいたします。
○寺門政府参考人 申し訳ございません、少人数学級につきましては当省の所管でございます。まず、こちらから事務的な説明を簡潔に申し上げます。 先生御案内のとおり、令和三年三月に義務標準法を改正いただきまして、約四十年ぶりに公立小学校の学級編制の標準を三十五人に引き下げておりまして、一人一人のニーズに応じたきめ細かな指導を可能とする指導体制と、安全、安心な教育環境を整備させていただきました。 今後、小学校の学級編制の標準の引下げを計画的に実施する中で、学力の育成やその他の教育活動に与える影響などにつきまして検証等を現在行ってございまして、その結果も踏まえつつ、中学校も含め、学校の望ましい指導体制の構築に向けて取り組んでまいる所存でございます。
○小倉国務大臣 今文科省から説明をさせていただいたとおりでありますが、委員御指摘のとおり、私も着任以来、様々な教育関係者と膝詰めで意見交換をしてまいりました。子供に関する様々なニーズも多様化している一方で、学校の教職員の皆様方の業務が大変多忙になっているという意見も耳にいたしております。 そういった中で、教育環境の整備を含め教育については文科省において、初等中等教育、高等教育並びに社会教育の振興を一貫して担っており、引き続き文科省がその充実を図っていくつもりでありますが、こども家庭庁におきましても必要な関与を行うことによって、両省庁が密接に関連をして子供の健やかな成長を保障することとしてまいりたいと思います。
○太委員 大臣、ありがとうございます。 どうかこれは、まさに文科省とこども家庭庁がしっかりタッグを組んで財務省に働きかける問題だと思っておりますので、是非とも二十五人を目指して、少人数学級、ここへ向けて進めていただきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。 私から大臣への質問は以上になりますので、御退席いただければと思います。ありがとうございました。 ちょっと時間がありませんが、次は官房長官に、前回、前々回に続き質問させていただきたいと思います。 他国の領域内の目標を攻撃するいわゆる反撃能力に関して、その保有に関する検討状況について、官房長官、教えてください。御説明をお願いいたします。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。 いわゆる反撃能力につきましては、国会での議論を含め様々な御意見を伺ってきていますが、現在、政府として、国民を守るために何が必要か、あらゆる選択肢を排除せず、現実的な検討を加速をしているところであります。 今後、新たな国家安全保障戦略等を策定する中で、与党間の協議における議論も踏まえながら、年末までに結論を出す考えであります。
○太委員 官房長官、検討を加速しているということで、これはもう私も繰り返し言っていて大変申し訳ないんですが、これは一年前からの話です。ずっと検討していただいて、年内ですので、あと残り、実質的にほぼ一か月を切ったと思っております。 そういった中で、官房長官、前回お話しなさいました、国会における質疑にお答えする形で丁寧に説明していく、それは閣議決定前でも同じだということでお話しされたんですが、本当に残念です。これは私がただずっと言っているだけじゃなくて、与党の先生方に対しても同じ返答で、反撃能力の議論は全然深まっていないです。 これは新聞報道ですが、今月の九日ですか、自民党の小野寺元防衛大臣、安全保障調査会長が、政府の防衛政策の検討過程に苦言を呈した、与党内での会合で、国民の安全、安心に関わることは選挙で選ばれた国会議員の議論なしに大枠をはめてはいけないと。まさに私もそのとおりだと思っています。 官房長官にお伺いしたいのが、今なかなかお話しいただけませんでしたが、反撃能力を行使する際には国会の承認というのは必要なんですか、教えてください。お願いいたします。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。 政府としては、国民を守るために何が必要か、いわゆる反撃能力を含め、あらゆる選択肢を排除せず、現実的な検討を加速しているところです。 このため、具体的な内容等についてお答えできる段階にはございません。
○太委員 反撃能力に関して、私も別に反対しているわけじゃないです。今の国際情勢、我が国のミサイル防衛体制だけでは国民を守り抜けないのは明らかですよ。しかも、ウクライナ戦争を受けて、国民の七割以上が我が国の安全保障に関して不安を抱いている。 こういったときこそ、本来だったら、これは小野寺先生も言っているとおりで、国会でなぜ議論がゼロなんですか。これはおかしいですよ。閣議決定前にちゃんとやってもらわなきゃ私はおかしいと思っていますし、今説明ありましたが、国会承認、これは当たり前ですよね。今の法体系でそうなっています。 ちょっと官房長官、教えていただきたい。そこはどうでしょうか。ちょっと確認させてください。防衛省ではなくて、これは官房長官に事前にお願いしていますので、官房長官、お願いいたします。通告しています。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。 あくまで一般論として申し上げますが、我が国が武力の行使を行い得るのは武力の行使の三要件を満たす場合に限られますが、実際の武力の行使を行うために自衛隊に防衛出動を命ずるに際しては、原則として事前の国会承認を求めることが法律上明記されております。政府が判断するのみならず、国会の御判断もいただくこととなります。
○太委員 まさに国会承認は必要です。これは当たり前のことですよ。別に、事前、事後とかいろいろとあるかもしれないですけれども、国会承認は当たり前です。それで我々国会議員一人一人には、責任を取らされる。だけれども、反撃能力の保有に関する議論には全く関与できない。 官房長官、やはりこれはおかしなことだと思いますので、私は、これからでも、ちょっとこれはひどいなと思っていますし、ここは本来なら、行使に際して様々、事態対処法の中でも明文化するぐらい、それぐらい、国民の皆さんにも納得していただいた上での防衛力の整備だと思っていますので、これはまた引き続き、官房長官、よろしくお願いします。ちょっと時間がなくなりましたので。 それでは、台湾有事。 台湾有事、これはもう本当に、いつなのかという、あるかないか、そんな段階じゃなくなってきたと思っていますし、もちろん、何があっても我が国としては台湾有事を起こさせない、そのためのあらゆる努力はしていかなきゃいけないです。台湾から与那国島まで百十キロしかないです。ですが、一方で、有事が起きた際のしっかりとした備えをちゃんとしているかどうか、そういった視点からの質問となります。 まず、現在、国民保護法百四十八条の中で緊急一時避難施設を指定していこうということで、今進んでおりますが、大規模な地下の、地下です、緊急一時避難施設が今どういった指定状況なのか、この点に関して、官房長官、教えてください。また、その評価に関しても、政府としてどのようにそれを受け止めているのか、お願いいたします。
○齋藤政府参考人 お答えを申し上げます。 弾道ミサイル攻撃による爆風等からの直接の被害を軽減するためには、コンクリート造りの堅牢な建物や地下施設に避難することが有効でありますことから、こうした施設を都道府県知事等が緊急一時避難施設として指定することとなっております。 こうした指定が早期に行われるよう、政府におきましては、令和三年度からの五年間を集中的な取組期間として、より安全性が高いと考えられる地下駅舎や地下街、地下道等の地下施設の指定促進を重点的な取組事項の一つとして、都道府県等に対し働きかけを強めているところであります。 こうした取組により、地下駅舎を例に取りますと、令和二年四月時点でゼロか所だったところ、令和四年十月現在では五百十六駅に対し指定がなされるなど、着実に成果が表れているものと考えております。 今後とも、地方公共団体と緊密に連携し、地下施設を始めとした避難施設の更なる指定に向け、しっかりと取組を進めてまいります。
○太委員 ありがとうございました。 数は大分増えてきた、これは物すごく評価できることだと私も思っておりますが、ですが、一方、今回、ウクライナ戦争で明らかになりました、戦闘が長期化したときに、その長期化した中での避難所での衛生環境、そこは大丈夫なのか。あと、訓練も様々やっているとおっしゃいましたが、例えば東京都では、指定された施設内で、避難施設では一回もこれは開催されていないです。そういったところをもっと、確かに数は増えました、あとは内実をしっかりと充実させていく、機能するようにしていただきたい、これはもう質問じゃなく、それをお伝えさせていただきます。 最後に官房長官にお伺いしたいのが、核シェルターに関してお伺いさせてください。 岸田総理は先日の予算委員会で、核シェルター整備に向けた議論を進めていくというふうに、我が党の岡田幹事長の質問に対して、北朝鮮などの情勢を見れば、現実的に対策を講じていく必要があるというふうに、これまでよりも一歩踏み込んだ前向きな答弁を出していただきましたが、一方、これは令和元年、参議院でした、質問主意書で、内閣官房を中心に避難施設の調査研究又は整備の促進に係る検討をこれまで政府は行ってきたとしていますが、その質問主意書が出されてから四年たっていますが、ずっと検討ばかりで、結局どういった状況に今なっているのか、進展があるのかどうか。官房長官、最後にこの点だけ、現在の状況を教えてください。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。 核攻撃等のより過酷な攻撃を想定した施設については、北朝鮮の情勢等を鑑みれば、現実的に対策を講じていく必要があるとの問題意識を持っており、一定期間滞在可能な施設とする場合に必要な機能や課題について検討を進めているところであります。 今後については、こうした施設に求められる仕様や設備に要求される性能等について、様々な視点から調査及び検討を行うことを考えており、引き続きしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
○太委員 官房長官、いつまでも検討じゃなくて、具体的に進めていただきたいと思っていますし、これは国民保護、国民を具体的に守っていく、その点をどうか進めていただきたいと思いますので、引き続き、まさにこれは政治のリーダーシップで進めていただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。 以上で終わります。どうもありがとうございました。