太ひでしが、「グローバルに考え、地域密着で行動する」
(Think globally, act locally)中で見えてくることを発信しています。

Vol.7:正直者がバカを見る日本 ~「障害者雇用」水増し問題

政治や行政に対する国民の信頼を大きく揺るがす不祥事が後を絶ちません。
中央省庁の8割で障害者雇用数を長年にわたって水増ししていたことが明らかになりました。
民間企業には厳しいルールを課しながら、範を示すべき中央省庁で不正が横行していました。

福祉行政に対する信頼を失墜

障害者の自立を支援するために、国や地方自治体、民間企業は障害者雇用促進法により、一定割合以上の障害者を雇うよう義務付けられています。
しかし多くの中央省庁で、障害者手帳の交付のない軽度の人や対象外のケースが雇用数に数えられ、障害者雇用率が不正に算入されていました。
省庁側には「制度の理解が足りなく、悪意からではない」との声もありますが、同じルールで民間企業はきちんとやっている以上、言い訳にはなりません。
それどころか民間企業には省庁より格段に厳しい監視体制があり、法定雇用率未達成の場合にはペナルティが科されます。
企業は厳しい規制の中で、障害者の働く場をできる限り広げ能力を発揮してもらおうと創意工夫を重ね、着実に障害者雇用数を増やしてきました。

真の共生社会を目指して

大規模な不正水増しにより、それだけ多くの障害者の雇用の機会が奪われてしまいました。
私は学生時代から知的障害者の自立支援や福祉作業所でのボランティアに参加し、障害をもつ方やその家族と交流してきました。
そのため、率先して障害者雇用に取り組むべき立場にある役所が、ハンディを乗り越えて自立しようとする人たちの切実な思いをないがしろにしたことに、強い憤りを覚えずにはいられません。
各省庁はまず一人ひとりの障害者に向き合う姿勢を持ち、雇う側も、働く側も無理せず共存できるあり方を探ることから始めるべきです。
少子高齢化が進む日本で、障害者が働きやすい環境を整えることは、病気や子育て、介護などの事情を抱える人たちにとっても働きやすい環境づくりにつながります。
相次ぐ中央省庁の不祥事を受け、政府与党へのチェック機能を高めるために、健全な野党の存在が欠かせません。私は引き続き神奈川13区から、野党勢力の確立にまい進してまいります。

2018年8月吉日
太 栄志 拝