太ひでしが、「グローバルに考え、地域密着で行動する」
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Vol:92: 通常国会閉会 政治を変える夏

 150日間にわたる通常国会が閉会しました。私は予算委員会、外務委員会、拉致問題特別委員会で質疑に立ち、トランプ関税の対応や地域の課題を取り上げました。昨年秋の衆院選で野党が議席を増やした結果、「与野党伯仲」となった今国会では、高額療養費制度の見直し凍結、「103万円の壁」の引き上げ、高校授業料の無償化など、多くの成果を挙げることができました。衆議院での法案修正は10本(昨年は3本)にのぼり、従来のように与党が数の力で十分な審議を経ずに押し切る国会運営から、与野党が公開の場で妥協点を見出し、法案を修正する「熟議」の新しい国会の姿を示すことができました。

 地元の課題では、2027年に横浜市・上瀬谷で開催される国際園芸博覧会(花博)の各国の誘致や交通インフラの確保、会場建設費用といった課題を取り上げ、岩屋外務大臣や関係省庁に着実な準備を要請しました。花博跡地開発についても、市民の声に寄り添った計画となるよう取り組んでまいります。

 また、自衛隊基地や水源地周辺での外国人による土地取得が安全保障上の懸念となっていることを受けて、規制の障壁となっている国際条約との整合性を問う質問主意書を提出しました。日本の主権と地域住民の暮らしを守るために、実効的な外国人土地取得規制の法案成立を目指します。

 一方で残された課題もあります。トランプ関税をめぐる日米交渉は難航しており、トランプ大統領が示唆する30%35%の関税が実施されれば、日本経済に対する打撃は計り知れません。日本政府は、液化天然ガス(LNG)の追加購入や造船分野での技術協力を交渉カードとして提示してきましたが、農産品の輸入関税引き下げについては交渉のテーブルに乗せてきませんでした。コメをはじめとする農産品を聖域とせずに交渉を進め、日本の国益に直結する自動車関税の見直しを引き出すべきです。

 そして、食料品、日用品、ガソリン、コメなどの物価高騰は家計を圧迫し続けています。物価高から国民生活を守るために、時限的な食料品の消費税率ゼロ%、給付付き税額控除、ガソリン税率の廃止、社会保険料の軽減、電気代値下げなど、国民に「直接届く」緊急経済対策を速やかに実行する必要があります。さらに、中小企業の社会保険料事業主負担の軽減や、経済成長の柱となる半導体、AI、蓄電池といった成長分野への重点投資によって、長期的に下がり続けている実質賃金を上昇に転じさせ、成長の好循環を実現してまいります。

 自民党の裏金問題で政治への信頼は地に落ちました。企業団体献金の禁止や政治資金の透明化を通じて、ゆがみのない国民本位の政治を実現するためには、参議院でも国会の景色を変えなければいけません。夏の参議院選挙は事実上の政権選択選挙です。物価高と緊迫する国際情勢といった「国難」に真正面から向き合い、お金の力で動く政治を終わらせるため、全力で取り組んでまいります。

2025年7月
衆議院議員 太 栄志 拝