太ひでしが、「グローバルに考え、地域密着で行動する」
(Think globally, act locally)中で見えてくることを発信しています。

Vol.90: 緊急の物価高対策 食料品の消費税をゼロへ

 物価高騰が家計を圧迫しています。特に4月にはコメやキャベツをはじめとして4000品目以上の食料品の価格が上昇し、消費支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」は27.9%と43年ぶりの高水準となっています。このような物価高に対応するには、物価を上回る大幅な賃上げが不可欠ですが、実質賃金も家計の実質消費も伸び悩んでいます。そんな中、トランプ米大統領による関税措置が国民生活と日本経済に追い打ちを掛け、世界経済は一層混迷を深めています。

 物価高から国民生活を守るための緊急の時限的な措置として、食料品の消費税率をゼロに引き下げることが必要です。食料品は低所得者層の支出に占める割合が高いため、実質的には再配分効果が大きく、多くの先進国(英国、カナダ、オーストラリアなど)で採用されています。また食料品の軽減税率制度(8%)は既に導入済みであり、実務的にゼロにすることで事業者の事務負担はより簡素化されます。将来的には、昨年の総選挙でも訴えたように、より困っている人たちを重点的に支援する「給付付き税額控除(消費税還付制度)」の導入を目指します。この制度は、税金から一定額を控除し、控除しきれない分を給付する税制の仕組みです。

 減税にあたっては赤字国債に頼ることなく、高所得者向けの税制見直しや法人税の見直しで代替し、赤字国債に頼らない財源確保を前提とすべきです。生活必需品である食料品にかかる負担を軽減することで、GDPの約6割を占める個人消費を喚起して経済の好循環を生み出すことが期待できます。この消費喚起策でグリーン・デジタル・医療・食といった分野への投資を促し、新しい経済成長の起爆剤にしたいと考えます。

 歴史的な価格高騰を続けるコメ価格については、安定供給を確保する構造改革が必要です。まず、備蓄米の放出方法の改善に取り組むとともに、中長期的には、事実上の減反政策であるコメから麦、大豆、飼料への転作補助金を見直し、生産に見合った価格と市場価格との差額を国が補填する「直接支払制度」の創設などを通じて、日本人の主食であるコメを誰もが安定的に入手できる生産体制の確立を目指していきます。

 これからも街頭やタウンミーティングで寄せられる皆様の声を国の政策に反映するために草の根活動を重ねていきます。どのようなことでも結構ですので、お気軽にお声をお聞かせください。

2025年5月吉日
衆議院議員 太栄志 拝