太ひでしが、「グローバルに考え、地域密着で行動する」
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Vol.78: 災害に強い国づくり 災害・緊急事態局長に就任

 今年は元日の能登半島地震で幕を開け、改めて私たちの日常は災難や危機のすぐ隣りにあることを思い知らされました。今年の夏も7月から異常な猛暑となり、台風の襲来や線状降水帯による集中豪雨など自然災害の頻発化が予測されています。

政治の役割は国民の生命と財産を守ること

 政治は、平時から最悪の事態を想定したシミュレーションを繰り返し、「想定外」を出来る限りなくして危機管理の体制を万全にしていなければなりません。首都直下型地震や南海トラフ地震は今後30年以内に70~80%程度の確率で発生すると予測されています。危機管理の視点からは、まさにいま発生してもおかしくないとの認識で備えなければなりません。

自助・共助・公助で災害に備える

 災害列島である我が国では日頃からの「自助」が大切です。特に災害発生から72時間(3日間)が経過すると生存率は急激に下がりますので、少なくとも3日間を生き延びるための水や食料などを備蓄することや、家庭における防災・減災対策が必要です。そして地域での助け合いである「共助」が重要です。防災訓練などを通して、近隣の方々との交流を深めておくことが大切です。自助や共助でカバーできない災害には「公助」が出番で、国や自治体が連携して対処します。

災害弱者対策と避難所環境の改善、病院船導入を急ぐ

 災害弱者と呼ばれる赤ちゃんや子ども、妊婦、高齢者、障がいを持つ方、健康に不安を持つ方、日本語を話せない外国籍の方々を排除しない包括的なインクルーシブ防災の視点が欠かせません。そして、世界最低レベルの日本の避難所環境を被災者目線から改善することが喫緊の課題です。また、国会質疑で私も繰り返し訴え、ようやく導入の見通しが付きましたが、災害時に海上で被災者を治療・運搬する病院船の導入を早急に実現すべきです。

危機管理庁(日本版FEMA)の創設を

 ワシントン時代、米国の連邦緊急事態管理庁(FEMA)長官がハリケーンや山火事、大規模事故などに際し、大統領の代理として強い権限のもと陣頭指揮を執る姿に感銘を受けました。災害大国日本こそ、あらゆる緊急事態を一元管理する権限が付与され、危機管理の豊富な経験と専門性を有するスタッフを抱えるFEMAのような危機管理庁の創設を目指すべきです。

 今月、災害・緊急事態局が立憲民主党神奈川県連に設置され、初代の局長に就任しました。国・県・市町村の連携や防災教育の強化など、災害リスクを軽減する体制づくりを通して地域の皆さんの安心・安全を具体的に確保し、災害に強い国づくりに全力を尽くす所存です。

2024年7月
衆議院議員 太 栄志