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Vol.58:子どもたちの未来を守るための教育改革

 連日街頭に立ち、地域を歩く中で最も多く寄せられる声の一つは、子どもを取り巻く問題です。内閣委員会(11月16日)で質疑に立ち、小倉こども政策担当大臣に以下の3つの政策提言を行いました。

① 通学路の安全確保

 2月の予算委員会(第一分科会)での質疑に続き、通学路行政の問題を指摘しました。残念ながら今の日本では危険通学路が放置され、子どもの命が失われるまで政治も行政も本気で動きません。その象徴が昨年の千葉県八街市での悲惨な事件でした。ガードレール設置の要望が出され、同じ場所で生徒の負傷事故が数年前に起きていたにもかかわらず、財政上の理由から対策がなされていませんでした。

 一番の問題は国の縦割り行政です。通学路行政に4つの省庁が関わり、責任の所在も不明確です。この構造的な問題を解消するために、来年4月に創設予定の「こども家庭庁」に通学路安全確保のための予算と権限を一元化して、司令塔機能を持たせるべきです。子どもたちが安心して学校に通える環境づくりは政治の最低限の責任です。

② 「25人学級」の実現

 教育学者の末冨芳・日大教授をお招きし、教育をテーマに「やまと未来ラボ」を10月に開催しました。参加された方々と議論が深まり、一人一人の子どもに向き合い、きめ細やかな指導を可能とするため、25人学級を早期に実現すべきとの結論に至りました。

 政府は昨年から小学校の学級編成を見直し、段階的な35人学級の実現に向けて動き出しましたが、地域によっては実現できておらず、中学校に至っては手つかずの状況です。OECDの平均は1学級あたり約21人と、国際的にも日本の学級規模は大きいことで知られています。

 現場の先生方からは「経験的に生徒が20名を超えると目が届かない」という声を聞きます。問題は十分な予算確保です。小倉大臣にはこども家庭庁と文科省がタッグを組んで財務省を説得し「25人学級」を早期に実現するよう要請しました。

③ 外あそび環境の整備

 地元で子ども食堂と学童を運営するNPOの方から、今の子どもたちはあそび場や居場所が少ないため、体力が著しく低下し、現代社会のさまざまな問題から健全な成長が阻害されている実態を教えていただきました。

 学校の校庭は地域で最も身近にあり、安全に遊べる放課後の居場所として極めて重要です。しかし学校側の負担が大きいことから、日常的に利活用されていないのが現状です。既存の放課後事業にかかる予算を拡充し、校庭活用を推進する国の政策が必要です。民間企業とも連携し、見守り人材の確保することで子どもたちと保護者の皆さんの安心を確保しなければいけません。さらにはより身近にある街区公園もあそび場として有用であり、維持管理予算の拡充を小倉大臣に要請しました。

 より深刻化する現状を打開するため、政治がオールジャパンで対処すべきです。一刻の猶予も許されません。私の専門の国家安全保障とともに、子どもの未来のために今後も全力で取り組んでまいります。

※ なお質疑の模様はこちら(動画/議事録)からご覧いただけます。

2022年11
衆議院議員 太 栄志 拝