太ひでしが、「グローバルに考え、地域密着で行動する」
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Vol.49:子どもの命最優先の社会へ!

昨年10月に衆議院議員になり、217日に国会で初めて質疑に立ちました。この6年間、街頭に立ち、地域を歩く中で最も多く寄せられた声の一つ、「子どもたちの通学路の安全確保」をテーマにしました。残念ながら今の日本では、危険通学路が放置され、子どもの命が失われるまで政治も行政も本気で対策を講じません。

その象徴が昨年6月、千葉県八街市で下校中の小学生5人が死傷した事故です。10年以上前からガードレール設置の要望が出され、5年前に小学生4人が負傷する事故が起きていたにもかかわらず、財政上の理由から対策がなされていませんでした。政府が通学路の緊急点検を全国一斉に行い、500億円規模の予算を計上したのは子どもたちの命が奪われてからです。

危険通学路が放置されているのは地域の警察や地方自治体に問題があるからではありません。通学路に関する国の縦割り行政が一番の原因です。文部科学省、国土交通省、警察庁、内閣府など多くの省庁が通学路行政に関わり、子どもを守ることを優先した政策決定がなされていません。責任の所在も不明確です。この構造的な問題を解消するには、新設される「こども家庭庁」に通学路安全確保のための権限と財源を一元化し、責任の所在が明確な司令塔をつくるべきと質疑で訴えました。危険箇所を役所に連絡しても各部署たらい回しにあう現状を改善するため、「危険通学路110番」ホットラインの設置も提言しました。

薄くなった横断歩道や停止線の迅速な修繕対応も喫緊の課題です。管轄する都道府県警察は財政事情などから対応が遅れ、市町村も地方財政法や道路交通法などの壁があり、苦情が多く寄せられても動けません。まずは学校周辺の危険個所を優先的に対処するため市町村が柔軟な対応ができるよう法改正を目指すべきです。また通学時間帯の車の進入禁止措置などの交通規制による安全確保も推進すべきです。

子どもが安心して学校に通える環境づくりは政治の最低限の責任です。命が失われてからでは遅いのです。未然に防ぐためにあらゆる手立てを講じなければなりません。その第一歩が「こども家庭庁」への通学路行政の権限・財源の一元化です。この課題は与野党を問わずオールジャパンで対処すべきです。私の専門の国家の安全保障と共に、子どもの安全保障にも全力で取り組んでまいります。

2022年2月
衆議院議員 太栄志 拝