【国会活動】内閣委員会で質問しました(2023年4月21日)
★質問要旨★
- 医療カウンセリングの利用について(小倉大臣)(厚生労働省)
- 防衛省・自衛隊における孤独孤立対策(小倉大臣)(防衛省)
- 子どもの孤独孤立対策(小倉大臣)(こども家庭庁)
- 対策目標の設定及び政策評価の在り方(小倉大臣)
- 在外邦人の孤独孤立対策(小倉大臣)(外務省)
★議事録★
〇太委員
神奈川十三区の太栄志でございます。先日の本会議に続きまして、本日も、この孤独・孤立法案、質問させていただきますので、大臣、どうぞよろしくお願いいたします。本日は、特に、私のライフワークであります子供、防衛、外務、この視点からの質問をさせていただきたいと思っております。それでは、早速質問に入りたいと思います。まず、医療カウンセリングについてお伺いいたします。孤独、孤立とメンタルヘルスの問題は密接に関係しており、孤独・孤立対策を進める上で、医療カウンセリングの有効活用というのは大変重要になってくるというふうに思っております。もちろん、政府やNPOの無料相談窓口が存在し、その大切さというのは認識しておりますが、やはりクリニックなどにおいてプロフェッショナルな訓練を受けたカウンセリングというのが大変重要だというふうに思っています。私、五年ほどアメリカで生活をしていました。そういった中で、日本とアメリカのまさにカウンセリングに対する認識の違いというのを大変痛感しております。日本では、心を病んだ人が受けるのがカウンセリング、そういった認識が強い、根強く残っている。やはりカウンセリングへのハードルが高い、なかなかカウンセリングを受ける人が少ない状況だと思っております。一方、アメリカでは、カウンセリングは身近なもので、敷居が割と低くて、病まないために早めに受ける、そういった感覚があるというふうに思っています。精神疾患を治すためだけではなく、心の調子を整えるために気軽に利用する人が多い。だから、企業でも専属のカウンセラーがいたりということで、広くカウンセリングが社会的に浸透しているというふうに認識しております。そこで、お伺いします。まず厚労省にお伺いしたいのが、我が国の医療カウンセリングの現状を全体的にお答えいただきたいというふうに思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
〇斎須政府参考人
お答え申し上げます。心の健康の問題は、あらゆる分野で生じるものでございます。保健医療、福祉、教育など様々な機関においてメンタルヘルスに係る相談支援等が行われているところでございます。こうした相談支援に当たりましては、心理学に関する専門的知識及び技術をもって相談に応じる公認心理師を始めとする専門職によって行われるということになってございます。現在、公認心理師として登録されている方は約七万人でございまして、年々増加しております。そのうち、保健医療分野におきましては、従事している方を推計いたしますと、約二万人ということになってございます。
〇太委員
どうもありがとうございます。現状に関して了解いたしました。それでは、小倉大臣にお伺いしたいのですが、この医療カウンセリングの重要性に関して、孤独・孤立対策を推進していくという観点から、この重要性に関して御見解をお聞かせください。よろしくお願いいたします。
〇小倉国務大臣
太議員御指摘のメンタルヘルス対策につきましては、先ほど厚生労働省からも答弁がありましたところでありますが、政府の孤独・孤立対策の重点計画におきましても、具体的な施策として、職場のメンタルヘルスに関する総合的な情報提供、相談対応、学生のメンタルヘルスケア支援、防衛省・自衛隊におけるカウンセリング・相談体制の充実、精神疾患の予防や早期介入の促進などを盛り込んでおります。したがいまして、メンタルカウンセリング、これの重要性は十分認識しており、孤独・孤立対策としても引き続き推進していきたいと考えております。
〇太委員
大臣、ありがとうございました。是非ともこれは推進していただければと。重要性に関しても認識していただきましたので、どうぞよろしくお願いいたします。その上で、今度は厚労省にお伺いしたいと思います。今、大臣からそういった答弁をいただきましたが、我が国において、できる限りこの敷居を下げて、低くして、気軽に受診できる、そういった医療カウンセリングの普及に向けて、やはり私は、改めて、国民のカウンセリングに対する意識改革と体制整備、この両輪で進めなければいけないというふうに思っておりますが、多くの国民が医療カウンセリングを利用できる体制整備へ向けてどういった取組を進めていくのか、その点に関して教えていただきたいと思っております。今、医療カウンセリングは、一部の条件を満たした場合を除いて、ほとんどは自由診療、十割負担になっています。そういった中で、医療カウンセリングの保険適用範囲の拡大だったりとか、あるいはカウンセラーの公的資格制度の拡充などを通じて、どう体制整備をしていくのかというところを、厚労省としての取組、また見解を教えてください。お願いいたします。
〇斎須政府参考人
お答え申し上げます。精神疾患を抱える方は、御案内のとおり、医療機関における治療の対象となります。他方におきまして、疾患を有するまでには至らない精神保健に関するニーズが顕在化しているという状況でございます。このため、昨年の精神保健福祉法の改正におきましては、自治体が実施する精神保健に関する相談支援について、精神障害者に加えまして精神保健に関する課題を抱える方々を対象に加える等の改正を行ったところでございます。また、相談支援に従事する心理学の専門知識及び技術を有する専門職が重要でございまして、公認心理師につきましても、その更なる育成と資質の向上等に取り組んでいるところでございます。引き続き、関係機関と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
〇太委員
ちょっと一つお伺いさせていただきたいんですけれども、カウンセラーの公的資格制度ですね、これは今現状どうなっているのか、これからどう変わっていこうとしているのか、そこをもう一度教えていただけますでしょうか。お願いいたします。
〇斎須政府参考人
お答え申し上げます。公認心理師は国が設けておる資格制度でございまして、現在約七万人ということでございます。資格の取得に当たりましては、大学院レベルの専門的な教育でありますとか、あるいはその実務経験といったことを経た上で、試験を受けて、公認心理師になっていただくということで、年々増加しているという状況でございます。
〇太委員
年々増加しているということに関しては分かりました。今後、何か制度的な変更等を行う予定なのか、そこも、今後の見通しも含めて取組を教えていただけますか。お願いいたします。
〇斎須政府参考人
現在、公認心理師、順調に人数も増えているというところでございまして、また、現場の状況、あるいは自治体との意見交換も踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
〇太委員
ありがとうございました。先ほども言いましたが、カウンセリングを受けやすい環境整備、病んでからではなく、病む前から早めに対処していける、そういった環境づくりというのを是非とも進めていただきたいと思っておりますので、引き続きの取組をどうかよろしくお願いいたします。それでは、次に移りたいと思います。
次は、防衛省・自衛隊における孤独・孤立対策についてお伺いをいたします。今、国際情勢が様々厳しくなる中で、昨年十二月に安保関係の三文書の改定も行われました。防衛力整備へ向けての取組が進んでいること、このことは私も進めていただかなきゃいけないというふうに思っていますが、一方で、防衛力を抜本的に強化していくという中でも、やはり最前線で任務に当たられる個々の自衛隊員の皆さんの心身の健康が、まさに組織の人的基盤を支える上でも最も重要な要素だというふうに思っております。まずお伺いいたします。防衛省の方にお伺いいたしますが、近年の自衛隊員の自殺者数とその自殺動機に関する分析を教えてください。お願いいたします。
〇町田政府参考人
お答えいたします。自衛隊員の自殺者数は、平成十六年度から十八年度までの間に百人以上を記録したことをピークに、平成十九年度以降は緩やかな減少にあり、令和三年度は五十八人でありました。しかしながら、依然として毎年六十人程度の隊員の貴い命が自殺により失われております。こうした状況は、亡くなられた隊員の御家族にとっても大変痛ましいことであり、また、私たち組織にとっても多大な損失です。自殺の要因についても調査を行っていますが、その中では、一つは勤務環境、家庭問題、健康問題が主要な要素として挙がっているものの、自殺の多くは、多様であり、かつ複合的な原因、背景を有していることから、確定的に申し上げることは困難であります。いずれにしても、引き続き、様々な分析を行い、防衛力の中核である自衛隊員の命が自殺という形で失われないように、自殺事故防止に全力で取り組んでまいる考えであります。
〇太委員
ありがとうございました。よく分かりました。一時は年間百名を超える隊員が自殺をされたという時期もあった。一方、平成十九年以降は百名以下になってきた。ですけれども、二〇二一年も五十八名ですね。ということで、今御指摘されたとおり、まだまだ本当に、隊員の皆さん、また御家族にとっても大変痛ましい状況だと思っておりますので、どうか改善していけるように分析をしっかりとしていただきたいということと、やはり、ほかの国家公務員の自殺者数よりも自衛隊員の自殺者数というのが突出しているこの現状、まだこれが続いている状況ですので、是非とも引き続き対策を進めていただきたいと思っております。そこでお伺いしたいのが、防衛省・自衛隊におけるメンタルヘルス対策について教えていただきたいと思っております。そして、さらには、諸外国軍におけるメンタルヘルス対策について併せて防衛省の方からお答えください。お願いいたします。
〇鈴木政府参考人
お答えいたします。防衛省・自衛隊におけるメンタルヘルス施策につきましては、全隊員に対するメンタルヘルスチェックのほか、メンタルヘルス施策強化期間の設定、啓発普及のための教育教材の作成、配付及び研修等を行っております。また、駐屯地ごとに臨床心理士や部内カウンセラーを配置し、定期的に部外カウンセラーを招聘するとともに、部外の相談窓口を設置するなど、カウンセリング体制の充実も図っているところでございます。また、諸外国におけますメンタルヘルス対策につきましては、これにつきましてはとても有用だと考えておりまして、我々、例えば、今現在、自衛隊で行っております全隊員に対しますメンタルヘルスの関係で、教材の作成ですとか、先ほどの各駐屯地へのカウンセラーの配置などにつきましては、アメリカのPTSD対策を参考にさせていただいておりますし、また、現在、部隊長に対するメンタルヘルス教育の強化を行っておりますが、これは、英国陸軍等の研究成果で、優れた指揮官の存在がPTSD症状の少なさと関連しているという結果を基に実施しているところでございます。防衛省・自衛隊といたしましては、引き続き、諸外国の軍隊の取組などの情報収集に努め、メンタルヘルス施策の推進を図ってまいりたいと考えております。
〇太委員
ありがとうございました。様々、啓発活動、また部外カウンセラーも活用して、拡大してやっているということで了解いたしました。あと、海外の事例ということで、イギリスまたアメリカということで教えていただきましたが、自衛隊のメンタルヘルス対策を考える上で、アメリカにおける国防総省と軍の取組事例というのは、自殺事案の調査体制や対策の統合調整に向けた組織整備など、参考とすべき内実を大分備えているというふうに思っております。同盟国アメリカと、まさにアメリカは、社会自体も、様々このメンタルヘルスに対する取組というのが進んでいるところがありますが、まさに日米間でこの方向での情報交換また共有を拡大して、適宜、我が国の施策に反映させていくことは、新しい防衛協力の一つの課題としてあり得ると思っておりますが、防衛省として、どういった形で米軍との情報交換、共有を行っているのか、その点について教えてください。お願いいたします。
〇鈴木政府参考人
お答えいたします。まず、現在、陸上自衛隊から米国に衛生連絡員を派遣し、日頃から衛生の情報の交換、共有を行っているところでございまして、これの得られた情報につきましては、防衛省・自衛隊のメンタルヘルス対策に随時活用しているところでございます。また、海上自衛隊におきましては、米海軍主催の各国海軍が参加する国際パワーシンポジウムにおいてメンタルヘルスについての意見交換を実施するとともに、さらに、航空自衛隊におきましては、米国防省主催の心理学関連国際学会へ参加いたしましてメンタルヘルスの最新の知見を学ぶなど、人的交流も通じて、日米の連携の強化を行っているところでございます。実戦経験の多い米軍との協力は特に重要だと考えておりまして、引き続き、衛生連絡員を通じた情報収集や、学会に参加する等、防衛省・自衛隊のメンタルヘルス施策を推進してまいりたいと考えております。
〇太委員
どうもありがとうございました。是非とも、この点を日米防衛協力の一つとして引き続き進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。次になるんですが、先ほども御指摘がありました、自衛隊としても、様々、部外カウンセラーの活用等を行っているということなんですが、二〇二一年、当時の岸防衛大臣が実際にカウンセリング体験を行い、その感想を防衛省のホームページ等で広報していました。大臣や自衛隊の幹部らが、上官らがカウンセリングを積極的に受けていることを隊員たちにPRすることというのは、心理的な抵抗感を低減する上でも大変重要だと考えておりますが、自衛隊におけるカウンセリングの利用拡大に向けた取組ということを、広報も含めて教えていただけますか。よろしくお願いいたします。
〇鈴木政府参考人
済みません、先ほどの答弁で言い間違えましたので、訂正させていただきます。先ほど、米国に衛生連絡員と申しましたが、正しくは米国に衛生連絡官ですので、済みません、訂正させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇町田政府参考人
カウンセリングの利用拡大に向けた取組につきましてお答えさせていただきます。防衛省・自衛隊では、隊員の自殺事故防止のため、カウンセリング体制の充実強化、カウンセリングの利用啓発などの対策を行うために、令和四年四月に、防衛省のメンタルヘルスに関する基本方針を策定し、基本的方向性を示しております。具体的には、カウンセリングに対する心理的な抵抗を低減させる、これを目的といたしまして、陸海空各自衛隊の現場部隊の隊員、これは、健康状態に問題がない隊員を含め、多くの隊員にカウンセリングの体験をさせるなどの取組を推進しております。また、メンタルヘルス施策強化期間、これを年二回設けまして、隊員の意識を高めるとともに、ポスターによるカウンセラーの周知を行い、現場部隊や各機関等におけるメンタルヘルス施策の一層の推進を図っているところでございます。防衛省・自衛隊としては、引き続き、隊員のストレス軽減や悩みへの適切な対応を行うとともに、隊員がその能力を十分に発揮できるような健全な職場環境の整備に努め、自殺事故防止に全力で取り組んでまいる考えでございます。
〇太委員
ありがとうございました。これは具体的に教えていただきたいんですが、岸前防衛大臣はカウンセリングを受けられたと、浜田防衛大臣もこれを受けられる御予定なのか、そこを教えてください。お願いいたします。
〇町田政府参考人
お答えいたします。具体的な日程について浜田防衛大臣室と調整し、進めるというふうにしております。
〇太委員
是非とも調整して、隊員がまさにカウンセリングを受けやすい環境を進めるためにも是非とも進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。今、自衛隊の問題、いろいろとお話しさせていただきました。自衛隊は、まさに最近のセクハラ、パワハラ問題もありましたが、やはり実力組織として、どうしても組織としての閉鎖性というか、閉ざされた組織の特徴、何よりも規律の維持や任務の実効性確保というのが強く求められる以上、様々、組織の風土としていろいろあると思っております。そういった中で、ではこれからどういった形で自衛隊の孤独・孤立対策を進めていくのか、その点に関して小倉大臣に御見解をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇小倉国務大臣
今、太委員と防衛省とのやり取りがございました。自衛隊ならではの様々な特殊要因の下で心身の不調を来す可能性があるというのは私どもも認識しておりますし、だからこそ、防衛省・自衛隊におけるメンタルヘルスの取組の必要性も十分認識をしており、孤独・孤立対策としてもこれまで進めてきたところでございます。例えば、具体的には、政府の孤独・孤立対策の今の重点計画におきましても、具体的な施策として、防衛省・自衛隊におけるカウンセリング・相談体制の充実、防衛省・自衛隊におけるメンタルヘルス教育の強化を盛り込んでおります。引き続き、防衛省と連携をして、こうした取組を前に進めてまいりたいと考えております。
〇太委員
大臣、ありがとうございました。是非ともこの問題、先ほども言いましたが、我が国のまさに防衛力の人的な基盤をしっかりと支える隊員の皆さんの心身の健康というのは非常に大事だと思っておりますので、その点、取組を進めていただきたいと思っています。これは冒頭でも聞きましたが、このカウンセリングの問題、ここは、アメリカの研究等を見ていても、やはり米軍の中でも、どうしても軍隊、軍人の人たちは、カウンセリングを受けることを、アメリカでも、隊員たちの中では、心の問題を抱えること自体が弱さ、一種の弱さの表れだと見られることは何とか避けたいという考えだったり、あるいは人事上不利になるということで、なかなか進まないというのが現状だと思いますので、そういった懸念を何とか乗り越えて、防衛省の方でもカウンセリングを進めて、利用が拡大できるように何とか進めていただきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に移ります。次は、子供の孤独・孤立対策に関してお伺いいたします。昨年の自殺者数がまた増えたという中で、特に懸念されているのが小中高校生の自殺者数が五百十四名、五百名を超えた。まさにこれは社会の異常事態ですし、緊急事態だというふうに思っています。子供の自殺者数に対する小倉大臣の見解を教えてください。お願いいたします。
〇小倉国務大臣
まず、子供が自ら命を絶つことは絶対にあってはならないことだと認識しております。令和四年の児童生徒の自殺者数が五百十四名と過去最悪となってしまいました。自殺者数の増加は孤独、孤立も要因の一つであると考えておりまして、このような状況を重く受け止めております。また、先般、超党派の自殺対策を推進する議員の会が、総理に対し、自殺の危機から子供の命を守るための緊急要望を申し入れたと承知をしております。こうした状況を踏まえまして、私が担当大臣を務めるこども家庭庁に、子供の自殺対策に関する事務を担当する室を新たに設置をし、警察庁、文科省、厚労省などの関係省庁と連携して、子供の自殺対策に取り組むことともいたしました。孤独・孤立対策を推進する観点からも、引き続き、子供の自殺対策の取組を進めてまいりたいと考えています。
〇太委員
〇小倉国務大臣
〇太委員
〇野村政府参考人
〇太委員
〇小倉国務大臣
〇小倉国務大臣
当然、EBPMの推進といいますのは、より限られた予算で実効性のある施策を打つためにも、あるいは国民の皆様方にその政策の必要性や有効性を御理解いただくためにも欠かせない取組だと思っておりますので、やはり政府の政策、施策全般におきましてもEBPMの推進というのは非常に重要であると考えております。
〇太委員
ありがとうございました。明確に御見解を述べていただきまして、ありがとうございました。それでは、その上で、十八日の本会議で、小倉大臣は、孤独、孤立の問題を抱える当事者などの状況が様々であり、定量的な効果測定は難しい面があると考えている、また、これは先ほども質疑がありましたが、孤独・孤立対策の評価指標は今後検討が必要な課題であり、引き続き検討すると、先ほど来も発言されております。それでは、今回の法案の実効性を高める上で、目標設定というのはもちろん極めて重要です。定量的な効果測定は難しい面があると考えている一方で、評価指標は引き続き検討とのことでありますが、どのような検討を進めるのかということで、有識者の声も反映される予定なのか。例えば、これは先日、一昨日か、自民党の三谷議員からもありました、兵庫県立大学の先生方のああいった本当に具体的な分かりやすい指標もある中で、そういったことを具体的にどういうふうに検討されて、いつまでも検討じゃなくて、検討方法があるのか、そういった有識者の声も反映されることなのかというところをお答えください。
〇小倉国務大臣
先ほども申し上げたように、EBPMの推進、それ自体は、孤独・孤立対策においても大事にしなければいけない、そういう視点だと思っております。実際に、既に、令和四年に行いました実態把握に関する全国調査によりますれば、孤独感に関する直接質問への回答について、年齢階級別に見ますと、孤独感がしばしば、常にあると回答した人の割合が三十歳代や二十歳代の若い世代で高く、次いで五十歳代や四十歳代の中高年でも孤独感が高い人が一定程度いることがうかがえ、とりわけ男性では、三十代のみならず五十代でも高いことなどが明らかになってきております。こうした実態調査結果を踏まえて、例えば、ゲートキーパーの養成等の充実といった、若い世代を含む身近な相手と相談できるような取組の推進など、関係府省の施策を含め、孤独・孤立対策の施策を総合的に実施をしているところであります。
〇太委員
大臣、ありがとうございました。どうか引き続きの取組をよろしくお願いいたします。 時間がなくなりましたので、次に移りたいと思います。在外邦人の孤独・孤立対策についてお伺いいたします。私は、外務委員会などでも、在外邦人などの保護、また、旅券法審議などで度々、在外邦人に関する問題を扱ってきました。外務省は、在外邦人の保護、支援は外務省の最も重要な責務の一つであり、生活環境が日本とは異なるなどの事情で孤独、孤立の状態に陥りやすいと答弁をしてきていますが、実際に、近年の在外邦人の亡くなる死亡理由は自殺が二番目に多い、こういった状況です。外務省として在外邦人の孤独・孤立対策の重要性をどのように認識しているのか、この点、教えてください。お願いいたします。
〇太委員
大臣、ありがとうございました。どうか引き続きの取組をよろしくお願いいたします。時間がなくなりましたので、次に移りたいと思います。在外邦人の孤独・孤立対策についてお伺いいたします。私は、外務委員会などでも、在外邦人などの保護、また、旅券法審議などで度々、在外邦人に関する問題を扱ってきました。外務省は、在外邦人の保護、支援は外務省の最も重要な責務の一つであり、生活環境が日本とは異なるなどの事情で孤独、孤立の状態に陥りやすいと答弁をしてきていますが、実際に、近年の在外邦人の亡くなる死亡理由は自殺が二番目に多い、こういった状況です。外務省として在外邦人の孤独・孤立対策の重要性をどのように認識しているのか、この点、教えてください。お願いいたします。
〇松尾政府参考人
お答え申し上げます。在外邦人は、言語や文化、生活環境が日本とは異なるなどの事情により孤独、孤立状態に陥りやすい環境にあると考えられます。外務省としては、各在外公館の領事自身が在外邦人からの個別の相談に応じるなど、問題の解決に向けて取り組んでおります。また、外務省は、在外公館に派遣している医務官が電話などで相談を受け、現地医療機関についての情報提供や適切な医療を受けるための支援を行ってきているほか、相談件数が多いロンドン、パリ、ソウル、シドニーの四公館では日本語で診療が可能な精神科専門医と顧問医契約を結び、必要に応じて在外邦人の支援を行っております。また、外務省としては、政府の孤独・孤立対策の重点計画において明記しているとおり、在外邦人の孤独、孤立の実態調査を今後実施することとしており、実態に即した在外邦人保護の実施に努めていく考えであります。在外邦人の保護、支援は外務省の最も重要な責務の一つであり、外務省としては、悩みを抱える在外邦人の方々に寄り添い、きめ細やかな支援に取り組んでまいりたいと考えております。
〇太委員
ありがとうございました。それでは、在外公館とNPOなどとの孤独・孤立対策に関する連携実績に関して教えてください。 外務省は、在外邦人からの相談を受けているNPOとの間で緊急連絡体制を構築して、在外邦人から寄せられる相談内容が深刻かつ緊急に対応すべきと判断された場合に備えているというふうに承知しておりますが、二〇二一年に取り組み始めてから今まで、どの程度の連携実績があるか、この点を教えてください。
〇松尾政府参考人
お答え申し上げます。委員御指摘のとおり、外務省は、二〇二一年七月、SNSなどで在外邦人からの相談を受け付けている国内五つのNPOと連携した取組を開始いたしました。具体的には、在外邦人の方々に対し、外務省の海外安全ホームページ、在外公館のホームページや領事メールなどを通じて、NPOを広く紹介し、在外邦人の方々がNPOにチャットやSNSを通じて直接相談することを支援しております。また、在外邦人からNPOに寄せられている相談内容が深刻かつ緊急に対応すべきと判断される場合に備えて、NPOと外務省との間に緊急連絡体制を確立し、これまで、具体的な事案について連携して対応してきております。外務省としては、在外邦人から寄せられる相談内容にきめ細かく対応していくためには、相談対応の最前線に立つNPOの活動と緊密に連携することが重要と考えており、引き続き、NPOと連携し、取組を進めてまいりたいと考えております。
〇太委員
分かりました。その上でお伺いしたいのですが、緊急連絡回線を使用する、相談内容が深刻かつ緊急に対応すべきと判断された場合とは、先ほどおっしゃった緊急連絡体制を構築している五つのNPOが個別に判断するのか、NPO間で共通のガイドラインのようなものを作成して判断しているのか、この点、教えてください。
〇松尾政府参考人
お答え申し上げます。相談内容は多岐にわたっておりまして、一人一人が個別の事情を抱えておりますので、個別の判断、そのときに合わせた個別具体的な判断になるかと考えております。
〇太委員
ちょっとよく分からなかったんですけれども。NPOが個別でやっているかどうかというところだったんですが、ここは是非とも緊密に連携をしながら取組を進めていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、最後に、在外の日本人会、商工会議所、また日系人団体などの在外邦人のコミュニティー活性化に向けた外務省の支援に関してなんですが、このコロナ禍で、二〇二二年三月までは、在外邦人に対して医療及び精神カウンセリングの提供事業も実施されてきたと思います。今はこれは終わっているんでしょうかね。それで、外務省として、医療、精神カウンセリングの提供事業にとどまらず、在外の日本コミュニティーの活性化に向けて更なる支援をどういった形で行う考えであるのか、その点、最後に教えてください。お願いいたします。
〇松尾政府参考人
お答え申し上げます。在外邦人の孤独、孤立問題に対応する上で、海外の日本人会を始めとした在外邦人コミュニティーとの連携は重要であります。この観点から、在外公館は、日本人会などを通じて、外務省と連携した五つのNPOを在外邦人に対し広く周知し、孤独・孤立対策の支援を行っております。また、在外公館が日本人会等に対して実施する安全対策連絡協議会などの場で、孤独、孤立問題について説明するなど、在外邦人へのきめ細やかな周知啓発に努めているところでございます。
〇太委員
対応等教えていただきまして、ありがとうございました。どうか引き続き、在外の日本コミュニティーの活性化に向けても、この点、支援を、取組を進めていただきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上で終わります。ありがとうございました。