太ひでしが、「グローバルに考え、地域密着で行動する」
(Think globally, act locally)中で見えてくることを発信しています。

Vol.64: 「一人じゃないよ」共に支え合う「新しい公共」の社会へ

 新型コロナウイルス感染症との闘いが4年目を迎えました。社会環境が大きく変化し、人間関係が希薄になり、将来への漠然とした不安が広がりました。こころの問題に苦しみ、孤独に陥る人が私の周りでも増えています。

 昨年、ひきこもりの方は推計146万人で、日本人のおよそ100人に1人がひきこもり状態であることが明らかになりました。さらに自殺者数は前年比4.2%増加で21800人を超え、とりわけ小・中・高校生の自殺者数は514人と過去最多でした。年間500人以上の未来ある子どもたちが自ら命を絶つ。これは社会の緊急事態です。真剣に孤独・孤立対策に向き合い、対応を急がなければなりません。

 私は20代の頃、やりたいことや夢が沢山ありましたが、挑戦しては失敗と挫折の繰り返しでした。なかなか夢に近づけずに焦るばかりで、ふさぎ込み、つらい時期を過ごしました。ただ私の場合は、いつも気に掛けて連絡してくれる1人の友人の存在があり、長くふさぎ込むことはありませんでした。

 だからこそ、誰もが安心して相談できる窓口をオンラインも活用して大幅に増設し、NPOやボランティアによる見守りサービスへの支援拡充が急務です。私も衆議院の本会議及び内閣委員会で訴えた孤独・孤立対策推進法の制定が待ったなしです。また日々地元を歩き、街頭に立って、孤独や孤立の不安に直面される様々な地域の声を直接聞いています。「一人じゃないよ」と辻々で語り掛け、どんなことでも相談してくださいと訴えています。

 コロナ危機を乗り越えた先に、孤独・孤立に一人で悩むことのない社会の構築を目指します。政治や行政を政治家や公務員だけが担うのではなく、民間を含むあらゆる人たちが支える「新しい公共」の社会が求められます。孤独・孤立対策では、国民一人一人が誰かの「身近な人」として寄り添っていくことが必要です。

 残念ながら、日本社会が育んできた「自助」「共助」「公助」のバランスが崩れています。まず地域の絆と公の精神に支えられ、国民が「公」に参画する「新しい公共」の社会を追求しなければなりません。そしてその先に、互いに支え合い、人と人とのつながりが生まれる社会へ向け、私も神奈川13区から全力で取り組んでまいります。

2023年5月
衆議院議員 太 栄志