太ひでしが、「グローバルに考え、地域密着で行動する」
(Think globally, act locally)中で見えてくることを発信しています。

Vol.36:年頭にあたって~今年こそ政治を立て直し、コロナ危機を克服しよう

 コロナの影響で仕事も生活も一変した2020年が終わり、新しい年がスタートしました。年頭にあたり、今年こそコロナ感染拡大を抑え込み、経済と国民生活の再建に全力を尽くしてまいります。

 国民の命と直結するコロナ対策に党利党略は必要なく、党派の枠を超え政治が一丸となった対処が求められます。しかし年末年始に地元を回り、街頭に立って地域の声を聞くと、国の場当たり的で後手後手のコロナ対応に国民は怒っています。総理のこれまでの言動からは感染封じ込めへの覚悟は伝わってきません。国民の要望に加え、専門家や各地の首長からの提言に対し、メンツや自己保身、支持団体への利益誘導が優先されて有効な手立てを講じられない現政権は末期状況です。

 昨年の私のタウンミーティングでコロナに感染し治された方が体験を共有してくれました。海外からの渡航者と接する機会が多いサービス業のため感染の不安を抱きながら仕事をされていたこと、高熱が出て病院に相談してからPCR検査を受けるまで6日も掛かり恐怖の中過ごされたとの体験談から、政府のコロナ対策の問題点が浮き彫りになりました。

 感染症対策の鉄則は「検疫と隔離」の徹底に尽きます。外からウイルスを侵入させないための水際対策としての検疫と、侵入を許してしまった場合には次善の策として、検査を広く行い、感染者を追跡して適切に隔離することです。この「検疫と隔離」を科学的エビデンスに基づきながら粛々と徹底して実践したのが台湾です。日本の人口の約5分の1の台湾は1月3日時点でコロナの感染者808人(日本は245,924人)、死者7人(日本は3,645人) とその抑え込みに見事に成功しています。

 台湾は一昨年12月に中国・武漢における原因不明の肺炎流行の情報を入手すると、その翌日に閣議を開催し、同日から武漢からの入国者への検疫措置を実行しました。一方日本は昨春、中国からのインバウンド効果や国家主席国賓訪日への配慮から中国に対する水際対策が大きく遅れ、感染拡大を招きました。

 そしてまた、同じ轍を踏もうとしています。昨年11月末、政府が感染防止への専念を国民に呼びかけた「勝負の3週間」の期間中に、中国からの強い要請を受けて日中ビジネス往来促進に動きました。新型コロナ変異種の国内発見を受け、政府は昨年末に全世界から外国人の新規入国を停止しましたが、現在でも中国を始めとする11カ国・地域とのビジネス枠組みによる入国は変わらず認めています。しかも中国でも既に変異種が確認されています。今夏の五輪成功のために外国人の入国を絶やしたくないとの思惑が見えますが、感染拡大局面の今は早急に抜け穴を防ぎ、国の封鎖を徹底しなければなりません。

 次に、適切な隔離を徹底するにはまず、検査体制の整備が必要です。春先からPCR検査体制の不備が指摘されてきましたが未だに改善されていません。医療崩壊を招かないための環境を早急に構築し、他の先進諸国に比べ圧倒的に少ない1日当たりの検査体制を拡充し、希望する人が低コストで迅速に検査を受けられる体制づくりがまったなしです。無症状者による感染拡大を防ぐために検査による感染者の把握と保護、隔離が極めて大事で、台湾は違反者への多額の罰金を科して隔離処置を実施しています。

 そして最後に、台湾の成功モデルの基盤には、国民と政治との信頼関係がありました。残念ながら日本では相次ぐ政治家の不祥事や政治とカネの問題を受け、政治への信頼は地に落ちています。コロナ禍で生活困窮者は例年の3倍以上に増え、給与やボーナスの減額や失業する方が急増しています。だからこそ今、政治への信頼回復へ向けて国会議員の歳費削減を断行し、政治資金の透明性強化や企業・団体献金の全面禁止、国会議員リコール制度導入を実現するべきです。

 いつの時代も政治を動かすのは草の根から湧き上がる国民の声です。政府のコロナ対応が遅々として進まない今だからこそ、私は引き続き地域のみなさんの声に寄り添い、市民の力を結集してボトムアップで政治を前に進めるための活動に専念してまいります。

2021年1月4日
太 ひでし 拝