太ひでしが、「グローバルに考え、地域密着で行動する」
(Think globally, act locally)中で見えてくることを発信しています。

Vol.40:脱「ワクチン後進国」でコロナ危機を乗越える

日頃からお世話になっている方が新型コロナに感染し、陽性反応となってわずか10日で命を落としました。
直前までとてもお元気だっただけに、「救えるはずの命」が失われている日本の現実に直面し、政治に携わる一人として忸怩たる思いです。

コロナのまん延から既に1年以上。
緊急事態宣言を繰り返すだけの政府の失策が続き、生活も経済も大きな打撃を受け、国民の我慢は限界にきています。
現状を打開するには、国の総力を上げてワクチン接種を加速する必要があります。そしてワクチン接種率50%で日常生活と経済活動の再開を目指す方針を国民に明確に示すべきです。
接種が進む国では接種率30%程を超えると感染拡大にブレーキが掛かり、50%程度で感染が収束に向かい、70%程で集団免疫になるとされます。
この夏、日本が本気で東京五輪を開くのなら、開催までに接種率50%を達成すべきです。

1980年代まで日本は米国に技術供与するほどの高いワクチン技術を誇っていました。
しかし今回、我が国は米英独や中ロのような開発国になれず、接種率は5月末時点でわずか4%程度と世界110番目。
クーデターで混乱が続くミャンマーと同水準で「ワクチン後進国」に甘んじています。
接種率49%程の米国ではマスク義務も緩和され、GDPプラス成長が続き、社会・経済活動を取り戻しています。

医療従事者への優先接種は滞り、高齢者への接種は各地で混乱が生じ、「いつワクチンを接種できるのか?予約すら取れない」といった怒りの声が連日寄せられます。
抽選や年齢、住所で区切るなど政府が接種ルールをより細かく示すべきでした。
今は平時ではなく有事です。打ち手不足を早急に解消し、企業や大学でも集団接種を進め、希望者が安心して迅速に接種できる環境整備が急務です。
もちろん持病やワクチンへの不安から接種しない人の権利を保障し、接種の有無による誹謗中傷や差別を防がなければなりません。

そして国産ワクチンの実用化を年内早い段階で実現すべきです。
各地でワクチン接種の混乱が生じた一番の原因は、パンデミックで各国がワクチンの囲い込みに走り、欧州の輸出規制で日本へのワクチン到着が大幅に遅れたことにありました。
国家安全保障の観点からも、国民の命に直結するワクチンを戦略物資と捉え、海外への完全依存を改める必要があります。
そして新たな変異株やより強力な感染症に備え、国が製薬会社やベンチャーへの支援強化や規制見直し、産学連携強化を早急に進めるべきです。

日本がこの30年程で「ワクチン後進国」へと転落した背景には、有事への備えを怠り、先見性を欠き、副作用問題などで責任逃れを続けた政治の責任がありました。
未知のウイルスへの対処では、これまでの発想や手法、旧態依然とした政治ではこれ以上対応できません。

改めて私は、「救えるはずの命」を守るために、神奈川13区から政治の刷新とコロナ危機の克服に全力を尽くしてまいります。

2021年5月
太ひでし 拝